ジャンル盛衰の動向と平和の尊さを噛みしめるコスプレイヤーたち…『コミケ88』こぼれ話【その2】 | ニコニコニュース

(左)傷痍軍人/怪人ゲルマン大元帥閣下さん。衣装は"実物"とのこと! (右)『のぞえもん』のぞみ/朔也さん(@sa9ya_c)
おたぽる

 昨年夏と並ぶ約55万人の来場者を得て無事に閉幕した「コミックマーケット88」。さまざまなジャンルが賑わう中、女性向けでもっとも人気を集めていたのはブラウザゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』を扱うサークルだった。

 今回『刀剣乱舞』ジャンルで参加したサークル数は648サークル。『黒子のバスケ』の934サークル、『弱虫ペダル』の860サークルには及ばないものの、配置スペースには移動も困難なほど人が詰めかけ、人気サークルへの行列は途切れることがなかった。依然としてサークル数では『黒子のバスケ』『弱虫ペダル』が優勢なものの「新たな展開がないので、作家さんの活動も低調になっている」と、ある参加者は語る。

 これまでの多くの人気作がそうだったように、急激にサークル数が増加あるいは減少するという現象は見られないものの「冬からは『刀剣乱舞』で参加する予定」と話すサークルも多い。どうも、冬コミは『刀剣乱舞』がひとり勝ちになりそうな予感だ。

 こうした栄枯盛衰は、ほかのジャンルでも展開している。かつて超絶な人気を誇った『東方Project』は依然として1,508サークルと巨大なジャンルを形成してはいるものの『艦隊これくしょん~艦これ~』は2,566サークルと、1,000サークル以上も多いという結果に。しばらくは『艦隊これくしょん』が絶対的な人気ジャンルになるのかと思えば、そうでもない。

 あるサークル参加者は語る。

「サークル数も増えすぎて、一部の人気サークルを除けば、かえって手に取ってもらえる機会が減っている感じがします。ゲームのほうも“毎日毎日レベリングの作業に飽きた”という人も多いし、今回の夏イベが限界なんじゃないでしょうか。私自身も、もう半年くらいプレイはしていませんし……次回からは別のジャンルで参加することも考えています」

 先日、劇場版と並行してテレビアニメの続編が制作されることが告知された『艦隊これくしょん』。しかし、これまでプレイしてきたユーザーも「実態は作業ゲー」という現実に気づいて撤退を始めている様子。今後は、次第にサークル数も減っていくのではないかと予測されている。

 さて、そんなコミケ88の開催中に迎えたのが、70回目の終戦記念日。その当日も言うまでもなくコミケは賑わい、平和の尊さを噛みしめていたわけである。

 そんな会場で偶然見つけてしまったのが、傷痍軍人のコスをする勇士だ。8月15日に、傷痍軍人のコスをするなんて、どんな勇士だよ……いやいや、最近の若者は「傷痍軍人って何?」になるんじゃなかろうか。そんなことを考えながら話を聞いてみると、単にネタでしているのではなく実際に傷痍軍人が着ていた白衣を研究した上でのコスプレだというではないか!

 こんなコスプレが受け入れられる一方で、先日連載中止になった『のぞえもん』のコスで、興奮した男たちに囲まれる女子もいたり……いやあ、平和でよかったね!
(取材、文=昼間たかし)