知的障害者を46時間監禁し、殴る蹴るの暴行……“猟奇的犯罪”が増加する、韓国10~20代の闇 | ニコニコニュース

被害を受けた男性
日刊サイゾー

 韓国で若者による猟奇的な事件が発覚し、社会に衝撃が走っている。20日、女子高生や大学生などを含む数名の犯罪グループが、知的障害者をモーテル(韓国のラブホテルのような場所)に監禁した後、虐待を加えたとして警察に摘発された。

 韓国警察の発表によると、同犯罪グループは知的障害3級を持つ男性(46歳)と女子高生に性行為を持たせようとホテルに誘導し、その後、カメラを持ったほかのメンバーが部屋に押し入った。そして「援助交際をした。警察に訴える」として男性を脅迫。日本円にして約100万円を要求した。

 男性が「お金がない」と支払いを拒否すると、若者たちは暴力的な行動に出た。まず、服をすべて脱がした後、頭部を殴るなどの暴行を加えた。次いで、タバコの火を体に押し当てたり、沸騰させた熱湯を性器にかけるなどして性的な虐待を加えた。監禁時間は実に46時間にわたったという。それでも支払いに応じない男性に対して、若者たちが取った行動は衝撃的だった。男性を臓器売買業者に売り払おうとしたのだ。「業者に頼めば自分たちの犯罪の証拠は残らないだろう」。そう考えた結果の行動だったという。

 ただ、そのような残虐な犯罪に自責の念を感じた女子高生のひとりが、現場を抜け出し警察に通報。間もなく、若者たちは逮捕されることになった。男性は外傷性の硬膜下血腫などを患い、全治3カ月の重体だという。ここ数年、韓国では財閥子息や芸能人を狙った美人局が社会問題化しているが、今回の事件は、自分たちより立場の弱い人間を狙ったという点で悪質すぎる。

 なお、事件の舞台となったのは、ソウルから電車で40~50分ほどで到着する平沢市という街である。再開発が急速に進んでいるものの、大型の米軍駐屯基地や盛り場が幅を利かせるなど、お世辞にも治安や風紀がよいとは言えない。強いヤツがえらい。そんな、弱肉強食を絵に描いたような雰囲気が漂っている。犯行に及んだ若者たちは、その街に住む先輩・後輩で互いに顔見知りだったそうだ。

 韓国では若者たちによる凶悪犯罪が多発し、社会問題化している。14年5月には、釜山で当時15歳だった女子中学生3人を含む10~20代の若者グループが、家出した15歳の少女に売春を強要。その後、監禁し、暴行を加えた。また、若者たちは焼酎を強引に飲ませ、少女が嘔吐すると、その吐瀉物を無理やり食べさせたという。少女は暴行を受け続け、やがて死亡する。すると若者たちは、少女の顔にガソリンをかけて燃やし、死体をセメント詰めにして遺棄した。同事件の全貌は、昨月7月に警察の発表を通じて明らかになったばかりだった。

 韓国メディアは、一連の事件を、「悪魔になった女子中高生」などと見出しをつけ、センセーショナルに騒ぎ立てている。しかし、若者たちがなぜ犯罪に走ったか知ろうという観点からなされた報道は皆無である。若者の犯罪が増加、凶悪している韓国だが、その有効な対策や議論はいまだ見つからず、闇が日増しに深まっている。
(取材・文=河鐘基)