安倍首相、南北合意を歓迎=参院特別委、中谷防衛相答弁で紛糾 | ニコニコニュース

 安倍晋三首相は25日午前の参院平和安全法制特別委員会で、一時緊張が高まっていた朝鮮半島情勢について「最終的に南北間の接触が合意に達したことは歓迎している。北朝鮮が挑発行動を自制し、今回の合意が地域の緊張緩和や諸懸案の解決につながることを期待している」と述べた。

 首相は「今回、彼ら(北朝鮮)が取った行動、多くの潜水艦を出動させるという状況は非常に危険で、偶発的に何が起こるか分からない」と強調。「日米同盟がしっかり機能することは、北朝鮮の暴発、冒険主義的な試みを抑止していく上で十分に有効だ」と語り、安全保障関連法案の必要性を訴えた。自民党の山本一太氏への答弁。

 首相は、徴兵制を導入する可能性に関し、「自衛隊はハイテク装備で固めたプロ集団で、徴兵制では精強な自衛隊はつくれない。今や先進7カ国(G7)はいずれも徴兵制を採っていない」と重ねて否定。安保法案が徴兵制導入につながると懸念する意見を「国際的常識に全く無知だ」と批判した。自民党の森雅子氏への答弁。

 民主党の福山哲郎氏は、存立危機事態における自衛隊の後方支援を定めた法案に自衛隊員の安全確保規定があるかを質問。中谷元防衛相は「隊員の安全確保に必要な措置は明記、盛り込まれている」と答えたものの、その後「規定はないが、安全に配慮して行う」「運用で安全を確保する」と答弁を修正したため、野党側が反発して審議が紛糾。昼の休憩を挟み、鴻池祥肇委員長(自民)が政府側に「善処」を要請したことを受け、福山氏は質疑を続行した。