【ソウル時事】韓国国防省関係者は24日、韓国軍が11年ぶりに再開した拡声器による対北朝鮮宣伝放送の概要を明らかにした。それによると、放送は自由民主主義体制のすばらしさや人権の重要性、北朝鮮の実像などを紹介し、北朝鮮当局による宣伝を否定する内容。Kポップなど韓国の音楽も流しているという。

 4日の地雷爆発事件を受け、韓国軍は前線の施設11カ所で、1日約8時間の放送を開始。拡声器には一つ当たり48個の小型スピーカーが取り付けられ、昼は約10キロ、夜は約24キロ先でも聞こえるとされる。北朝鮮は猛反発し、22日夕までに中止しなければ軍事行動に出ると警告したが、韓国軍は放送を継続している。

 関係者によると、放送は「自由の声」と名付けられ、内容は多岐にわたる。韓国や海外のニュースのほか、韓国の発展している様子、中産層の姿など優越性を宣伝。放送前1週間の北朝鮮での報道と公表されない実態を併せて報じ、北朝鮮当局による宣伝の「虚構」をアピールする番組もあるという。