Google曰く: 営業力でもコネでもない、これからのエンタプライズ戦略の主力はオープンソース | TechCrunch Japan

GoogleでKubernetesやGoogle Container Engineなどのプロダクトマネージャを担当しているCraig McLuckieが、今日(米国時間8/26)行われたOpenStack Foundationの例年行事Silicon Valley Eventで、こう述べた: “Googleはエンタプライズ企業ではないが、エンタプライズのニーズを知るための努力はしている”。

今や誰の目にも分かるように、Googleは同社のクラウドプラットホームのエンタプライズユーザを増やすべく、懸命の努力をしている。しかし同社には、伝統的なエンタプライズコンピューティング企業が持つ強力な営業部隊がないし、Microsoftなどが長年かけて築いてきた、企業世界とのコネもない。

そんなものの代わりにGoogleは、今後もっともっとオープンであることに、賭けようとしている。そしてオープンソースのソフトウェアをもっと多くリリースすること。それが、エンタプライズに食い込む契機になるだろう。“Googleは、オープンがソフトウェア構築のベターな方法であると認識している”、とMcLuckieは述べる。“オープンソースのコミュニティがイノベーションを引っ張っている。その能力は感嘆に値する”。

彼によると、オープンであることは顧客のためにベターなプロダクトを作り出すだけでなく、(継続的インテグレーションにおいて)より速いインテグレーションサイクルが可能になる。さらに、他社を巻き込んだオープンソースプロジェクトでは、その他社のDNAをプロダクトが吸収できる。

その典型的な例がKubernetesだ。Googleで孵化したそのコンテナ管理/スケジューリングツールは、今では急速に、多くのコンテナアーキテクチャの標準コンポーネントになりつつある。Googleは最近そのコードをCloud Native Computing Foundationに寄贈したので、今後はRed Hat、Docker、IBM、VMWare、Huawei、Twitterなどの企業グループが開発していくことになる。つまり、ますますそれは、オープンソースコミュニティのものになる。

Googleは企業が、自分のワークロードを複数のクラウドやコンテナ間で移動できるようになることを期待しているが(クラウドと言っても主に自分のクラウドだが)、そのような技術の主軸となるのがKubernetesだろう。今後ますます多くのパートナーが採用すれば、確実にそうなる。

McLuckieはスピーチのあとのインタビューで、Googleは同社のインフラストラクチャスタックのそのほかの部分もオープンソースにしていく予定だが、何を、ということは現段階では言えない、と述べた。しかしこれだけでも、Googleがオープンソースを本気でエンタプライズ戦略の中心に据える気であることが分かる。

今後の積極的な攻めの基本戦略として、Googleの“秘密のソース”をオープンソース化していくべきだ、というMcLuckieらの説に、最初のうちはインフラ担当のSVPたちやGoogle Fellowで彼のボスであるUrs Hölzleらは納得しなかったが、今ではそれが、全社的なコンセンサスになっている。

今や、あの、プロプライエタリの古い怪物Microsoftでさえ、多くのコードをオープンソース化しつつある。しかもそれには、十分な理由がある。

“オープンソースでソフトウェアを構築しない者は、そうである者に対し競争上の不利を背負うことになる”、とMcLuckieは語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa