マイナビスチューデント

私たちが普段食べているものの中には、実は人間の体に悪い影響を与える成分が含まれているものもあります。例えばジャガイモ。カレーをはじめとするさまざまな料理に使う野菜ですが、芽の部分や芽の根元には「ソラニン」という天然毒素が含まれています。ソラニンは摂取するとおうとや下痢などを引き起こすそうです。今回は、こうした「天然毒素」を持つ食べ物を「危ない度」順に紹介します。

■中毒症状を避けるために覚えておこう

●危ない度……A

・「モロヘイヤ」


モロヘイヤの種には「ストロフェチジン」という強心配糖体が含まれており、これを摂取するとうっ血性心不全で死亡する可能性があるそうです。アフリカでは矢毒に用いられていたこともあるのだとか。ちなみに食用として一般流通しているモロヘイヤは種は取り除かれています。

・「桃」


甘くてみずみずしいことから、好物に挙げる人が多い桃。この桃の種には「アミグダリン」という成分が含まれています。アミグダリンは加水分解されると青酸に変化。多量摂取すると青酸中毒になり最悪死亡します。ただ、普段食べるくらいなら問題はないそうです。同じく梅やアンズなどの種にも、同じ青酸に変化する物質が含まれています。

・「ワラビ」


秋の味覚である山菜のワラビですが、実は「プタキロサイド」という毒性のある成分が含まれています。これはあく抜き処理をすれば分解されますが、生のまま食べると中毒症状を起こします。重篤になると死に至るケースも考えられるそうです。

・「アジサイの葉」


料理の彩りで添えられている場合のある、アジサイの葉。青酸配糖体が含まれており、食べるとおうとや目まいなど、青酸中毒になる可能性があります。場合によっては重篤になり、最悪死に至る場合も考えられます。大葉と似ているので間違って食べないように注意してください。

●危ない度……B

・「ぎんなん」


秋になると居酒屋などのメニューで出てきたり、茶わん蒸しの具にされることもある、ぎんなん。種には中毒を引き起こす成分が含まれており、多量に摂取すると呼吸困難やけいれんを起こします。成人なら大量に食べなければ問題ありませんが、子供だと少量でも中毒症状を起こす例もあるそうです。

・「ふきのとう」


春先によく見掛けるふきのとうには、「ピロリジジン」という物質が含まれています。これはあく抜きをすれば分解されますが、生のまま食べると肝臓に異常を来す可能性があります。生で食べることはまずない食材ですが、天然毒素があることだけは覚えておくといいかもしれませんね。

・「白インゲン豆」


インゲン豆には「レクチン」という糖結合タンパク質が含まれており、これが食中毒の原因となります。十分に加熱すれば問題はありませんが、生のまま食したり、過熱が不十分な場合はおうと、下痢といった中毒症状を引き起こす可能性があります。しっかりと加熱して食べるようにしましょう。

・「ウナギ」


夏になると食べたくなるウナギですが、血の中に魚類血清毒という毒素が含まれています。加熱されると毒性は失われますが、そのまま摂取したり、血が目に入ると結膜炎などを引き起こし、失明する恐れもあります。自宅で生の状態から調理することはあまりないと思いますが、気を付けるべきですね。

●危ない度……C

・「トマト」


トマトなどナス科の植物には毒性があり、大量に摂取するとおうとなどの中毒症状を引き起こします。例えばトマトの未成熟の果実や茎、また葉には「トマチン」という人体に悪影響のある成分が多く含まれています。少量では中毒症状にはなりませんが、食べ過ぎには注意です。

・「カカオ」


チョコレートの原料のカカオには、「テオブロミン」という成分が含まれています。病気の治療などにも使われている成分で、毒性はありますが人体にはほとんど影響はありません。ただ、イヌに与えると中毒症状を引き起こし、最悪死に至ります。絶対にペットには与えないようにしましょう。

普段目にする食材には、こうした「毒素」を含んでいるものが実は数多くあるのです。ほとんどは調理過程で毒素が分解されたり、少量だと問題がないものなどですが、やはり中毒を回避するにはしっかりとした知識を持つことが大事です。

参考:東京都福祉保健局 間違えやすい有毒植物


http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/dokusou/index.html

農林水産省 知識があればこわくない! 天然毒素


http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin.html

(中田ボンベ@dcp)