野菜や果物、農薬まみれで発がん性の危険?コンビニやスーパーのカット野菜は栄養価ゼロ? | ニコニコニュース

「Thinkstock」より
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 日本は「農薬大国」です。年間約60万トンといわれる農薬が生産されています。

 農薬は主に殺菌剤、除草剤、殺虫剤として使われています。これらの中には、発がんリスクの高い猛毒を含むものもあります。私たちは普段の食事で、体によいと思って食べている野菜や果物と共に、そのような毒物も摂取している可能性があります。実際、日本人の体内脂肪から有機塩素材(農薬)の残留量が世界平均の3倍も検出されたというデータもあります。

 スーパーマーケットなどで売られている見た目のきれいな野菜は、ほぼ間違いなく生産過程で農薬が使われています。最近では、収穫までに何回農薬が散布されたかを明記している店もありますが、消費者に情報を提供していない店も多いので、食材選びの際には気をつけてみるといいでしょう。今の時季が旬の桃やブドウ、梨などのフルーツ類は、農薬なしで育てるのが難しく、複数回の農薬散布が行われていると考えていいでしょう。

 本来の旬ではない時季の野菜や果物は、ハウス栽培でつくられているケースが多く、それらは農薬が多くなる傾向にあります。そしてハウス栽培の野菜は、付着した農薬が雨などで流されないため残留濃度は高くなりがちです。洗わずに皮ごと食べるようなことはしないほうがいいでしょう。

 また、意外と危険なのは、緑黄色野菜です。「緑黄色野菜は健康によい」といわれていますので、積極的に摂るようにしている人も多いはずです。しかし、緑黄色野菜のなかでも特に葉物野菜を選ぶ際には注意が必要です。

 緑色の元は硝酸塩窒素という物質なのですが、硝酸塩窒素は体内でタンパク質と結合すると発がん物質を生成すると指摘されています。葉物野菜は硝酸塩窒素を蓄えるほど緑色が濃くなるため、「色が濃いほうがよい」とはいえません。

●輸入果物にも要注意

 国内の食材だけではなく、輸入された食材はさらに気をつけなければなりません。グレープフルーツ、レモン、オレンジ、バナナなど、輸入果物には腐敗防止や殺菌を目的として農薬が塗布されています。日本国内では、収穫後に農薬を塗布することは禁止されていますが、輸入食材に関しては使用が認められています。

 防カビ剤として塗布されていることの多い0PP(オルトフェニルフェノール)は、もともとは農薬として使用されていましたが、毒性が強いとして1969 年に禁止されました。しかし、77 年に厚生省(現厚生労働省)は食品添加物としての使用を認めました。また翌年には同様に農薬としての使用が禁止されていたTBZ(チアベンダゾール)も食品添加物として使用が認められました。どちらも、輸出拡大を狙うアメリカの強い圧力が背景にあったのです。

 当時、厚生省は国立衛生試験所などで、OPPの安全性に関する実験を行い、発がん性のリスクはないと発表しました。一方、東京都立衛生研究所が独自に行った毒性試験では、OPPを摂取したラットの95%にがんが発生したとして、警鐘を鳴らしています。

 さらに、柑橘類に塗布されたOPPは、表面だけではなく果肉にまで浸透していることが確認されており、輸入果物は大量に食べ続けると、がんになる危険性が高まるといえます。ほかにも防かび剤は遺伝子損傷性、変異原性、染色体異常といった危険も指摘されています。

 加えて、スーパーやコンビニエンスストアで小分けされて売られているカット野菜は、見た目を良くしつつ日持ちさせるために次亜鉛素酸ナトリウムで洗浄されています。健康被害が出るほど残留することはないといわれていますが、次亜鉛素酸ナトリウムでの洗浄によって野菜が持つ栄養素はほとんどなくなってしまうと指摘されています。

 体によいと思って食べる野菜や果物ですが、発がん性や遺伝子レベルでの毒性といった農薬のリスクも抱えていることを頭の片隅に置いて、食材は十分に吟味して選びたいものです。
(文=豊田美里/管理栄養士、フードコーディネーター)