NASAがヤモリの壁のぼりに注目してますぞ

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ヤモリの手足がベタベタしてるから壁にくっつけると思ったら大間違いなんだからね!

日常のいたるところでガムテープ使いますよね。でもどんなテープも、時間がたつと粘着力が落ちちゃうのは防げません。そんな中NASAは従来のテープに代わる道具を開発するため、自然界にその目を向けています

ヤモリが垂直の壁でもするすると登ってしまうのは皆さん見たことあると思います。あれ、なんで壁から落ちないか知ってましたか? 実は足の裏に微かな毛が生えていて、その毛が生みだすファンデルワールス力を利用して壁にくっついているんです。

NASAは次のように説明しています。

原子核の周りを回っている電子は均等に配置されていないため、わずかな電界が発生し中性分子にプラスとマイナスが発生します。プラスに帯電している部分は近くにある分子のマイナスに帯電している部分を引きつけます。その結果「くっつく」ということが起きます。しかも極限の温度、圧力、放射能状況でもこのくっつく力は継続されます。


テープだとはがした後に表面に跡が残ったりしますが、ファンデルワールス力を使うと跡は残りません。またマジックテープのように対応する表面を2つ用意する必要もありません。つまり宇宙空間で使用するのにすっごく適しているんです。なのでNASAがヤモリに注目してこの粘着力を応用しようとしているんですね。

実際に今これを使って宇宙飛行士を固定するためのアンカーを開発中とのこと。他にも国際宇宙ステーションの表面を這い回って作業するロボットにも使えるかもしれません。これがもっと早く実現していたら映画「ゼロ・グラビティ」はかなり違ったものになっていたでしょうね。


source: NASA

Chris Mills - Gizmodo US[原文
(塚本 紺)

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