NSAの通話監視中止を求める判決を、控訴裁判所が逆転 | TechCrunch Japan

連邦控訴裁判所は、NSAの大量メタデータ収集プログラムを中止するよう命じた2013年の決定をくつがえす裁定を下した。

3人の判事からなる同法廷は、金曜日(米国時間8/28)に判決を下し、保守系プライバシー活動家、Larry Klaymanによる、彼自身のデータがメタデータ収集プログラムの一環で収集された可能性に関する主張が不十分であると指摘した。

Stephen Williams判事は、原告側は「政府が通信プロバイダーから取得した彼らの通話に関する記録によって被害を受けたと主張している。しかし原告らの契約者はVerizon Wirelessであり、Verizon Business Network Services, Inc ― 政府が一括データ収集の対象にしたことを認めている唯一のプロバイダー ― ではない」と書いている。

Janice Rogers Brown判事は別の意見として、原告側は「NSAプログラムに関連する『具体的で特定可能な被害』」を示していないことを指摘した。Brownは意見の最後にダニエル・パトリンク・モイニハン元上院議院の著書『Secrecy: The American Experience』の次の言葉を引用した。「この種の規制は探求心の強い市民を苛立たせるかもしれないが、そのことによって違法になることはない。過度の秘密主義は、必要な批判や議論を制限する。効果的な秘密主義は、この国の諸制度の永続性を保証する」。

この決定の重要性は、最近の法案が下院を通過する以前ほど決定的なものではない。今日の裁定がやや手続的であり同プログラムの合憲性に踏み込んでいないからだ。議会を通過した法案は、通話記録の一括収集を今年末まで継続することを許可するが、それ以降のNSAによる電話監視プログラムは大幅に規模縮小される。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook