ルフトハンザ、古参"空の貴婦人"の「Ju 52」がついに「移動可能遺産」へ | ニコニコニュース

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ルフトハンザ ドイツ航空はこのほど、ルフトハンザグループのドイチェ ルフトハンザAGが保有するJu 52型機が歴史に名を残す商用機として、初めてハンブルク市文化局文化財部より保護指定を受け、「移動可能遺産」に認定されたことを発表した。

同機は1936年に旧ドイツ・デッサウのユンカース航空機工場で製造された古参の航空機で、現在も飛行中の世界最古の旅客機のひとつとなっている。国内外の多くの愛好家らは愛情を込めてこの機種を「タンテ・ユー(ユーおばさん)」、あるいはより尊敬の念を込めて「空の貴婦人」と呼んでいる。Ju52型機は毎年夏期に、ドイツとオーストリアの上空を飛行する多くの観光フライトや定期便を通じ、約9,000人乗客を乗せている。

文化財保護を示す公式銘板は、「エアポートデー・ハンブルク」期間内に当たる8月22日に授与された。50人の著名な来賓が参加した式典では、ハンブルク市のオーラフ・ショルツ市長が、ルフトハンザ グループの取締役会名誉会長を務めるユルゲン・ウェバーと同機を運用するルフトハンザ ベルリン財団(DLBS)の最高経営責任者(CEO)を務めるベルンハルト・コンラッドに銘板を手渡した。

「移動可能遺産」として認証を受ける上では、基本的要件のほか遺産保護法で定められた厳しい基準を満たすことが前提条件となる。Ju52型機の場合、製造から最低30年以上という要件は満たしているが、それに加えてオリジナル部品の最低比率を上回っていることや、公益の観点からJu52型機の保存に特別な重要性があることを当局に証明する必要もあったという。

これらを証明することに成功した結果、ハンブルク市の文化財部のクリスティン・オンネン博士は、「タンテ・ユーは当時ベストセラーとなり成功を収めたモデルです。当機は構造の観点から見てこれまでにない発動機付き航空機であるJu52型機として最後の、保存状態のいい例のひとつであり、民間航空史的に重要な意味があります」とコメントしている。

また、ルフトハンザ グループの取締役会名誉会長のユルゲン・ウェバー氏は、「当社のタンテ・ユーが今後何年にもわたって良好な状態を維持できるようベストを尽くします。われわれの次なる目標は100周年です」とコメントしている。