どうして日本の街頭は「ゴミ箱」が少ないのか=中国メディア | ニコニコニュース

サーチナ

 中国メディア・新浪は22日、日本の街頭にゴミ箱が少ないということが昨今中国のネット上で話題になっていることについて、その経緯と取り組みについて紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、日本の街にゴミ箱がないことについて日本人に聞いたところ「ゴミは自分で持ち帰る」と口を揃えて答えた映像が最近中国のネット上で注目され、「日本人はクレイジーになってしまったのか」との感想が寄せられたと紹介。これに対し「日本人はクレイジーになったわけではない」としたうえで、日本が高度経済成長期に大量生産とともに大量のゴミが出たことで、土地の限られた日本において如何にゴミを処理するかが大きな問題になったと解説した。

 そして、ゴミ処理問題の解決を目指してさまざまな対策が講じられ、その中でももっとも注目されている取り組みとして「5R (リフューズ:Refuse、リデュース:Reduce、リユース:Reuse、リペア:Repair、リサイクル:Recycle)」を挙げ、ゴミを家に持ち帰るという観念は「リフューズ」の一部分であると説明。最初にゴミの持ち帰り運動が起こったのは尾瀬国立公園でのことであり、以降またたく間に全国に広がって行ったとした。

 記事は、日本でゴミを持ち帰る観念が普及した要因について、「道徳や公徳心よりも一般常識の教育や行政による管理が大きい」と分析。一般常識の教育では、幼稚園の遠足から子どもたちに自分で出したゴミを自分で持ち帰ることを、歯みがきと同じような「生活の常識」として指導していることを挙げ、「常識には道徳は不要。必要なのは習慣だ」と論じた。

 また、行政による管理については、税金の使い道を公開してその透明性を確保することで、「ゴミを散らかせば、行政がその処理をするうえで必要な支出が増える」ことを明確にし、市民に自らの「責務と義務」を全うするよう働き掛ける仕組みになっていると解説。「公徳心とは“滅私奉公”の精神ではなく、公民権を得ていることへの報いなのだ」とした。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)