「夏の夜の夢」劇場公開決定 ジュリー・テイモア監督が来日「映画と舞台のハイブリッド」 | ニコニコニュース

来日したジュリー・テイモア監督
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2014年にニューヨークで上演され、同年トロント国際映画祭でプレミア上映され批評家の称賛を浴びたシェイクスピア原作の舞台「夏の夜の夢」の劇場公開が、11月13日に決定。演出を手がけたジュリー・テイモア監督が来日し、9月1日にTOHOシネマズ日本橋で行われた上演イベントで「映像化にあたり様々なショットを映画的な手法で追加で撮影しています。まさに映画と舞台のハイブリッドと言えます」と作品をPRした。

映画「フリーダ」「テンペスト」などで知られるテイモア監督は、米ブロードウェー版「ライオンキング」で女性初となるトニー賞最優秀ミュージカル演出賞を受賞している。ブルックリンの「Theatre for a New Audience(TFANA)」で上演され、注目を集めた「夏の夜の夢」は劇場公開用として「アルゴ」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の撮影監督ロドリゴ・プリエトが参加し、音楽は「フリーダ」でアカデミー賞作曲賞を受賞したエリオット・ゴールデンサールが担当した。

映像化は「当初まったく考えていなかった。映画にできると思わなかった」とテイモア監督は話すが、4日間で様々なアングルで手持ちカメラ、ステディカムを駆使し、撮影を敢行。役者のクローズアップやリアクションなど生の公演では見られない部分も収録し、80時間のフッテージを1週間で編集したと明かす。

夏至の一夜を舞台に、男女や妖精の恋愛騒動を描いた作品について「シェイクスピアはとにかく男女関係を観察している。この作品は結婚制度や制約を描いていて、ハーミアとヘレナ(2人の女性登場人物)が結婚式のあとにいっさいセリフがないというところに私は興味を持った」。シェイクスピア戯曲で多用される比喩など具体化しにくい表現を独創性溢れる詩的な演出で描き出し「すべてはベッド、夢を見る場所から始まるのです」と物語のテーマを語った。

「夏の夜の夢」は11月13日からTOHOシネマズ日本橋、大阪ステーションシティシネマで公開。そのほか全国順次公開予定。鑑賞料金は一般3000円、学生2500円。