「ここが変だよ日本!」留学生が日本で受けたカルチャーショックとは?
新刊JPニュース

 旅行や仕事で海外に行くと、現地の文化や慣習が日本とあまりにもかけ離れていてショックを受けることがある。
 でも、それは日本にやってきた外国人も同じで、私たちが普通に使っているモノやサービスに触れた時の衝撃は大きいようだ。
 『おジャマしていいですか!?』(幻冬舎/刊)の著者MARINAさんは、ロシアからの語学留学生として2004年に来日。1年間大阪で過ごした経験を基に書かれたドタバタ大奮闘エッセイの中では、MARINAさんが感じたギャップが次々と明かされる。
 ロシアから日本に留学した主人公のカリナの毎日はまさに驚きの連続。ただでさえカルチャーショックを受けることの多い日本に、彼女はどんどん“深入り”していく。

■日本は「SF映画」のような未来都市?


 シベリアの大学で日本語を学び、日本の歴史や習慣には詳しかったカリナ。ところが実際の“日本の様子”については謎だらけ。まれにロシアのテレビで流れる日本の映像は、様々な機械にあふれたSF映画のような未来都市。身の回りでも「霜降りの和牛を作るために日本では牛にクラシック音楽を聴かせ、全身にオイルマッサージをする」「地震が多いために、日本人は伸縮自在の建物を作ることができる」といった嘘と真実が入り混じったウワサがまことしやかに語られていた。
 世界でも類を見ないハイテク都市を想像して来日したカリナだが、留学先の大学は大阪市内ではなく郊外の山の上!憧れのネオンに彩られた市街地から離れていくバスに乗りながら「日本にも田舎があるの!?」と感じたのが最初の「カルチャーショック」だった。

■「日本で一番危ない」お店とは?


 限られた奨学金で生活する留学生の身にとって、「いかに節約するか」は大事な問題。そんな彼女にとって天国のように思えたのが「ヒャクエンショップ」。野菜や果物の高さに驚いていたカリナは、雑貨も日用品もなんでも100円ではじめのうちは大喜び。しかし、やがてこれが「非常にズル賢い商売」だということに気付いた。
 お金に余裕のない外国人留学生は100円ショップに入るとあまりの安さに狂喜して、一種の錯乱状態に陥ったまま無駄遣いしてしまうのだ。実際、カリナは「ドレスを着やすいように頭にかぶる袋」を買った後で「正気」に戻った。ドレスなど日本に持ってきていないことを思い出し、「頭にかぶる袋」はゴミ袋として使われることに。

■ウオッシュレットパニック


 そして、カリナにとってさらに衝撃的だったのが最も身近な異文化「ウォッシュレット」。操作ボタンのたくさんついたトイレに興味津々。好奇心のおもむくままそのボタンを全部押してしまった。「噴水のイラスト」のついたボタンを押すと水が噴き出してくるまではよいものの止め方がわからない。もう一度「噴水」ボタンを押してもダメ、お尻を上げれば自動的に止まるのではないかと便座から離れると、水は便座を飛び越えて床に……。慌てて座りなおしたものの、水はあいかわらず噴き出し続ける。一生ここで、噴き出す水をお尻でブロックしないといけないのではないかと不安になったときにようやく「STOP」ボタンを見つけて事なきをえた。

 カリナは「日本の寿司」「日本の繁華街」「日本の変態」と、日本の伝統的なものからちょっとヘンなものまで、様々な「日本」に触れていく。そして、ひょんなことから「水商売」の道に入り、日本人独特の「愛と性」の文化を垣間見ることに。


 単純な「日本あるある」ではない、笑いあり涙ありの見聞録になっている本書だが、著者のMARINAさんは現在もタレントや通訳として日本で活躍している。彼女は日本に衝撃を受けながらも、異文化をすっかり気に入ってしまったのだ。
(新刊JP編集部)

■イベント情報


『おジャマしていいですか!?』の刊行を記念して、MARINAさんのトーク&サイン会を開催。

『おジャマしていいですか!?』出版記念 トーク&サイン会


日時:2015年9月12日(土)14:00〜
会場:梅田蔦屋書店 9階ガーデンラウンジ
<サイン会の予約はこちら:http://real.tsite.jp/umeda/event/2015/08/marina.html>