「アテンション・プリーズ! 当機はただ今、操縦士が乱闘中です」・・・雲海の上で流血騒ぎ、中国当局たまらず処罰 | ニコニコニュース

 新華社のニュースサイト「新華網」は1日、中国民用航空華北地区管理局(民航華北局)が最近になり、中国の航空会社「中国連合航空」に対し、「不安な事件」が繰り返されたとして、認可している飛行時間を10%削減する処罰をしたと報じた。「不安な事件」には、操縦士らが飛行中に乱闘して「流血の事態」になった件も含まれるという。

 民航華北局の「中国連合航空有限公司についての処理の決定報告」は、連合航空は2015年になってから「不安事件」を多発させていると指摘。特に、6月14日に発生した「乗組員の乱闘」、7月19日の「安全高度を下回る下降」、同月29日の「不適切な状況下での飛行」は、安全に対する重大な問題と指摘した。

 民航華北局の調べによると、同社の安全上の問題は50件に達していた。そのため6月14日に「乱闘」を起こした乗務員には6カ月の乗務禁止とした。会社に対しては、許可している飛行時間の10%を削減を科した。また、新規路線の開設や増便となるチャーター便の運航も当面は認めない。

 6月14日に発生した「機内での乱闘」については、詳しく伝えられていないが、航空関連の情報サイトである「民航資源網」などによると、副操縦士が頭部から流血するほどの、「激しいあらそい」だったという。

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◆解説◆


 中国の民間航空は1949年、中央軍事委員会のもとの空軍が管轄する中国民用航空局として出発した。1980年になり、軍の直接の管理を受けない「中国民航」という独占企業に移行。中国民航は1987年に、中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空などに分割された。

 中国連合航空は1986年に、それまでも民間輸送を行っていた空軍部門を「人民解放軍が経営する航空会社」として分離して成立させた。2002年には、「軍による営利企業の禁止」との政策のために消滅したとみられていたが、2005年には復活していたことが分かった。

 現在は中国東方航空の傘下企業として、活動している。ハブ空港は、軍民共用空港である北京南其苑空港。(編集担当:如月隼人)