缶ビール100円! 船上の自販機が話題 その理由を調べてみると… | ニコニコニュース

船上自販機の100円の缶ビール。隣の天然水は150円=ハートランドフェリー
withnews(ウィズニュース)

 北海道の稚内とサハリンを結ぶフェリー。その船にある自販機で、缶ビール(350ml)が100円で販売されていると話題になっています。隣に並んでいる天然水(530ml)が150円のため、「水より安いとは!」と驚きの声も。フェリー会社に聞いてみると、特別セールというわけではなく、いつもこの値段で販売しているそうです。なぜ、こんなに安いのか? そこにはビールにかかる税金が関係していました。

【写真】ズラリと並んだ100円ビール。隣に150円の天然水を並べているのには、ちゃんとした理由が……

フェリー会社に聞いてみた
 話題になっているのは「ハートランドフェリー」の、稚内とサハリンを結ぶ航路です。サハリンとを結ぶ国内唯一の定期便です。

 乗船したとみられる人が、ツイッターで自販機の画像をつぶやいたところ、「ビールよりも水のほうが高いだと」「一生、海上で暮らしたい」といった声が上がりました。

 ハートランドフェリーの担当者によると、いつもこの値段で売っているとのこと。「乗船したお客さまは『えっ、なんで』と驚かれる方が多いですね」と話します。

 ちなみに、100円ビールの隣に150円のミネラルウォーターを並べているのは、安さを強調するためではなく、「外国に行かれる方は水の心配をされる方が多いので販売しているだけですよ」とのことでした。

ビール会社に聞いてみた
 なぜ、こんなに安くビールが販売できるのか? 売られている「サッポロ生ビール黒ラベル」の製造元である、サッポロビールに聞きました。

 「租税特別措置法の第87条の7等において『外航船に積み込む酒類の免税』の取り扱いが規定されており、いくつかの要件を満たした上で所定の手続きをすることにより、免税適用ができると承知しています。ご質問のケースについては、一般論としてはこれに該当するものと思いますが、実際に該当するか否かは、当社がお答えする立場にありません。なお、売価の設定についてはメーカーが関与する立場になく、個々の事業者において酒税のほか様々な要因により決定するものであるため、お答えできません」

 つまり、お酒にかかる税金が免除されているということのようです。ハートランドフェリーに確認したところ「その通りです。こちらのビールには税金がかかっていません」とのことでした。

税金について聞いてみた
 国税庁酒税課によると、荷物を積み込む港を所轄している税関長の承認を受けることで、輸出品と同じように酒税や消費税が免除になるそうです。

 ただし、これは船上での消費を前提とした規定。船内で大量に買って、国内に持ち込もうとした場合にはどうなるのか? 今度は財務省関税局監視課に聞きました。

 「関税法で『760ml×3』の範囲内であれば、関税も酒税も消費税もかかりません」との回答でした。

 つまり、350mlの缶ビールなら6本までは税金がかからないというわけです。それを超えたらどうなるのか?

 「1リットルあたり200円がかかります」

実は、もうすぐ終了?
 この船上の100円ビール。一部の人々の間では「サハリン航路の名物」として知られた存在のようです。

 ところが残念ながら、この航路、ハートランドフェリーは今月中旬で撤退します。航路継続は今のところ決まってないそうです。

 稚内を出発するのは7日、10日、16日の残り3便のみ。「船上で100円ビールを楽しみたい!」、そう思った方はお早めに。