共同通信の取材に応じる元最高裁長官の山口繁氏
共同通信社

 元最高裁長官の山口繁氏(82)が3日、共同通信の取材に応じ、安全保障関連法案について「集団的自衛権の行使を認める立法は憲法違反と言わざるを得ない」と述べた。政府、与党が、砂川事件の最高裁判決や1972年の政府見解を法案の合憲性の根拠にしていることも「論理的に矛盾する。ナンセンスだ」と厳しく批判した。

 「憲法の番人」である最高裁の元長官がこうした意見を表明するのは初めて。自民党の高村正彦副総裁は、憲法学者から法案が違憲だと指摘され「憲法の番人は最高裁であり、憲法学者ではない」と強調したが、その元トップが違憲と明言したことは、波紋を広げそうだ。