元少年A 公式ホームページで公開した自作イラストと全裸写真 | ニコニコニュース

元少年Aから女性セブン編集部に届いた封筒
NEWSポストセブン

 神戸連続児童殺傷事件の犯人・元少年Aが、女性セブン編集部に手紙を送ってきた。そこには、手記『絶歌』(太田出版)を執筆するにあたって行われた幻冬舎の見城徹社長とのやりとりが詳細に書かれていたほか、急遽ホームページを開設したことが明かされて、そのアドレスも記されていた。

 実際にそのホームページのアドレスにアクセスした。トップページには、「元少年A公式ホームページ」という文字とともに、「存在の耐えられない透明さ」という大きなタイトルが飛び込んでくる。

 そこに記載されたプロフィールには、1982年に神戸市に生まれ、事件を起こして2004年に社会復帰するまでの年表に加え、こんな個人情報まで明かしている。

《身長165.6cm 体重54.3kg 視力 右0.03 左0.05 血液型 A型 大動脈心臓部に雑音あり 誇大妄想癖あり》

 プロフィールの下には、『絶歌』についての自画自賛の宣伝が続く。

《少年A事件に関する書籍はこれまでにも数多く出版され、ほとんど出尽くしている感がありますが、少年A本人が自分の言葉で語ったものは、この『絶歌』が最初で最後です。

(中略)事件から18年。『冷酷非情なモンスター』の仮面の下に隠された“少年Aの素顔”が、この本の中で浮き彫りになっています。「少年Aについて知りたければ、この一冊を読めば事足りる」そう言っても差支えないほどの、究極の「少年A本」です。一人でも多くの方に手に取っていただければ幸いです》

 ホームページ内の主なコンテンツはまず、Aが好きな映画や小説を書評した「レビュー」のページ。例えば1980年代初頭に「パリ人肉食殺人事件」で日本中を震撼させた猟奇殺人犯・佐川一政の著作に触れ、

《僕にとって“芸術”とは、「失われた“現在”への求愛」です。僕にそれを教えてくださったのが、あなたです》》

 と、稀代の殺人鬼への憧憬を綴っている。そしてもうひとつが、自作のイラストや写真を投稿した「ギャラリー」のページである。このページを覗いて戦慄した。

《「心象風景」ならぬ「心象生物」という言葉がもしあったなら、不完全で、貧弱で、醜悪で、万人から忌み嫌われるナメクジは、間違いなく僕の「心象生物」だった──『絶歌』》

 こんな手記の引用文とともに、数十匹というナメクジが小皿の上でうごめく写真が大量に掲載されている。

 この他に、ムカデやサソリ、ゴキブリをモチーフにしたと見られるイラストや、事件現場となった入角ノ池のほとりにそびえ立ち、Aが「アエダヴァーム」と名付けた大樹のイラストもあった。

 そしてAは衝撃の写真を公開する。自身と見られる全裸写真だ。

「セルフポートレート」と称し、顔は黒の覆面で覆っているものの、それ以外は一糸もまとっていない全裸姿の写真を8枚掲載している。写真に写る男は小柄ながら筋肉質な体形で、腹筋は割れ、腕や胸も太い。その風貌は、少年院時代にひたすら筋トレに励んでいたことを『絶歌』で明かしているAと重なる。

 しかし、自らの“表現”は羅列されている一方で、ホームページのどこを読んでも、遺族への謝罪の言葉は一言もない。

 Aの真意はどこにあるのか。女性セブンは見城氏を訪ねたが、

「Aに関する取材は一切お断りしている。手紙の真偽についてもお答えできない」

 と言うばかりだった。しかし、見城氏にこれらの画像と手紙を見せ、ホームページも手紙もA本人の手による可能性が極めて高いことを告げると、大きく首を振り、「なんで彼はこんなことを…」と言葉を失った。

 手紙から伝わるのはAの贖罪意識の欠落と、病的なまでの自己承認欲求。そして、いまなお心の奥底に沈殿するおぞましい狂気。Aは18年前から何も変わっていないのではないか──。

※女性セブン2015年9月25日号