茨城県常総市では、鬼怒川の堤防が突如決壊したことで瞬く間に水没し、大勢の住民が取り残された。車の屋根の上で助けを待つ妊婦、濁流にのまれまいと電柱に必死にしがみつく男性…。救助活動には県外からもヘリコプターが投入された。

 茨城県災害対策本部によると、決壊した堤防の北側にある本石下地区では、民家に避難していた「東さくら保育園」の園児ら18人を航空自衛隊の救難隊が救助。さらに同地区で、妊婦が軽乗用車の屋根の上で膝まで漬かりながら救助を待つ様子や、電柱につかまっている人、アパート1階の一室に閉じ込められた親子も確認され、いずれも消防隊や埼玉、群馬両県警のヘリによって無事助け出された。

 決壊した堤防近くの三坂町地区では屋根の上で助けを待つ人の姿もあり、茨城県の防災ヘリが救助に当たった。海上保安庁は、特殊救難隊のヘリなど3機を投入。橋の上に取り残されるなどしていた15人を救助した。

 首相官邸対策室によると、茨城、栃木両県の救助活動にはヘリ38機が出動し、約2300人が動員された。