「ノーモア中国人」の落書き・・・「NO」を消して 「MORE CHINESE」で応戦=米サンフランシスコ | ニコニコニュース

サーチナ

 中国メディア「環球網」は10日、米メディアを引用して、サンフランシスコの各所で建物や壁に「NO MORE CHINESE(中国人、もう来るな)」と落書されたと伝えた。一部落書きは「NO」の部分だけが消されたという。中国系住民が「反撃」した可能性がある。

 「落書き」が発生したのはサンフランシスコの異なる場所で、少なくとも5件見つかったという。警察は同件について調査を始めた。

 一部の落書きは、「NO」の部分が消されて「MORE CHINESE(中国人、もっと来い)」と“修正”された。中国系住民の「反撃」の可能性がある。

 環球網は、「サンフランシスコ市の人口は約82万人、うち中国系住民は17万人。人口が最多の少数民族」と紹介した。(編集担当:如月隼人)(写真は環球網の上記記事掲載頁キャプチャー)

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◆解説◆


 米国に中国系住民が住み始めたのは18世紀後半とされる。辛亥革命を成功させた孫文も兄を頼ってハワイに渡り、後に米国国籍を取得した「中国系米国人」だった。さらに、1997年にノーベル物理学賞を受賞し、2009年から13年には米国エネルギー長官を務めたスティーブン・チュー(朱棣文)など、学問と政治の2分野で活躍を続ける中国系米国人もいる。

 現在、米国には国籍を取得した者だけでも、350万人以上の中国系住民がいる。もちろん全員が「卓越した人物」とは言えないが、中国系住民は米国の強みでもある「多様性」の構成要素だ。米国に渡った中国人は人種差別の対象となり、迫害された時期も長かったが、米国社会に溶け込み、実績を上げることで地位を確立していったと言える。

 上記の落書きが出現したのは、最近になって米国に渡り、米国人の標準的な価値観や感性にそぐわない言動がある中国人が目立つようになったことが背景にあると考えられる。(編集担当:如月隼人)(写真は環球網の上記記事掲載頁キャプチャー)