市民団体が8月に開催した「戦争展」の名義後援を「特定の政治的立場に立脚している」として断った福岡市が昨年5月、作家百田尚樹氏を招いた市内の講演会を名義後援していたことが12日、分かった。百田氏は講演前に「南京大虐殺はなかった」と発言し反響を呼んでおり、11日の市議会で共産党市議は「不平等な扱いだ」と指摘した。

 市は「ほぼ毎年、作家を招き講演会を開く実績のある団体からの申請で、文化振興に寄与すると判断した」と説明している。

 講演会で百田氏は、自身の小説「永遠の0」をテーマに「日本人の心、生き方」を語り、市教育委員会も名義後援した。