10年間で6,837人。カリフォルニア州、警官に殺された人の情報を公開

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やっぱり多すぎると思います…。

先日、カリフォルニア州司法省が、警察の活動状況について情報を公表するウェブサイトを立ち上げました。そのウェブサイトには、警察の捜査の中で命を落とした人の数や人種などの統計情報も掲載されているんです。

ウェブサイトの名前は、「オープン・ジャスティス(Open Justice)」。カリフォルニア州いわく、犯罪に関する統計情報を公表するウェブサイトは初の試みだそうで、職務中に殺害されたり、暴行を受けた警察官の情報も含まれています。カリフォルニア州司法省は、アメリカ国内で大きな問題となっている逮捕時や身柄拘束中の市民の死亡について、ウェブサイトでの情報公開によって、透明性を高めたいとしています。

このオープン・ジャスティス、2つの構成要素から成り立っています。ひとつは統計情報をわかりやすいグラフにしたダッシュボード。もうひとつはオープン・データ・ポータルという、カリフォルニアで起きた警察官の死亡や身柄を拘束された容疑者の死亡など、犯罪に関する生データです。

さて、データの中身を見ていきましょう。2005年から2014年の間に、警察に身柄を拘束された6,837人が死亡しています。死因の第1位は事故ではない「自然死」とされていて、これが61%。続いて多い死因は14%で「警察による殺人」となっています。

同じ期間に、身柄拘束中に死亡した人の約60%が白人以外の人種。29%がヒスパニックで、24%が黒人だったようです。


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身柄拘束中の死因。61%が自然死、続いて14.4%は司法当局(警察)による殺人


ウェブサイトにはカリフォルニア警察による銃撃の統計情報も掲載されています。例えばガーデナの警察官が丸腰の男性2人を銃撃し、そのうちのひとり、Ricardo Diaz Zeferinoさんが命を落とした事件。この事件は2013年に起きたものですが、今年の7月に動画が発見されるまで、ガーデナ警察は事実をひた隠しにしていたのでした。

続いて、逮捕時の死亡について。ウェブサイトによると、2005年から2014年に1,202人が逮捕時に死亡。そのうちの75%が「殺人」に分類され、12.5%が「事故」に分類されています。「自殺」は3%以下だったようです。

逮捕時の死亡者についても、人種の情報が出ています。ここでもヒスパニックが一番割合が多く、41%。続いて白人が31%、黒人が21%となっています。


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逮捕の際に亡くなった人の人種。ヒスパニックが一番多く、その次に白人


カリフォルニア州司法省は、このウェブサイトをさらに充実させていく予定だそうです。司法長官のKamala D. Harris氏は、「これはオープン・ジャスティス1.0、スタートアップだと思ってください。良い政府というのはテクノロジーを利用していくものです」とプレス向け説明会で話し、今回の取り組みは第一歩にすぎないとしています。現在のところデータは2014年までのものですが、どのくらいの頻度でウェブサイトがアップデートされるかは、今のところ明らかになっていません。

Harris司法長官は、声明の中で次のようにも語っています。「この取り組みは事実とデータ、目標を合わせて掲げることによって、自らの説明責任を果たし、地域社会をより安全にすることを狙っています」。

全米レベルでは、FBIは警官の銃撃についての情報すら集めていないということが、昨年のミズーリ州ファーガソンでのMichael Brownさん死亡事件で明らかになりました。それ以来、ワシントン・ポストは警官による銃撃の情報を力を入れて調査しています。しかしメディアの自主的な調査にとどまらず、他の州でもカリフォルニアと同じ方法を取り入れて、直接情報を公開してほしいものです。


image: 2013年にカリフォルニア州・ガーデナで起きた警察官による銃撃事件の動画のスクリーンショット(LA Times)
source: Open Justice via Associated Press

Matt Novak - Gizmodo US[原文
(conejo)