就活解禁日、また見直しへ=学生、中小企業から批判―経団連 | ニコニコニュース

 経団連は、大学生の就職活動のスケジュールを再び見直す方針だ。今年から企業面接など採用活動の「解禁日」を8月1日と4カ月遅らせたばかりだが、学生や中小企業から就職・採用活動が実質的に長期化したなどと批判が強いためだ。経団連は年内にも新たな解禁日を決めるが、「朝令暮改」の対応で、就活現場の混乱に拍車を掛ける可能性もありそうだ。

 就職活動は昨年まで、企業による面接が4月1日に始まり、10月1日に採用内定が出るというスケジュールだった。しかし、大学や一部企業から「学生の勉学期間を確保すべきだ」との主張が上がり、今年から解禁日を8月1日に遅らせた経緯がある。

 しかし、一部の大企業をはじめ、外資系や中小企業は8月を待たずに採用活動を始めたことから、就活の学生らに困惑が広がった。

 また中小企業は、大企業の採用が終わってからでないと、必要な学生を確保できないところが少なくない。大企業の採用が遅れた分、学生の就活は長期化しているのが実情だ。

 9月上旬に東京都内であった合同会社説明会に参加した私立大4年の女性(21)は、「昨年夏のインターンシップ(就業体験)から1年以上就活をしている」とぐったりした表情。都内の金属スクラップ卸売会社の社長は「大手の採用も増え、まだ予定数を満たせていない」と話した。

 経団連は今後、会員企業に対する実態調査を踏まえ、解禁日を前倒しする見通しだ。ただ、来年については準備期間が不十分なため、小幅な変更にとどまりそうだ。