記録的な豪雨で鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市の高杉徹市長は13日、甚大な被害が出た同市三坂町・上三坂地区の住民に堤防の決壊前に避難指示を出さなかったことについてミスだったと認め、「そこが決壊するとは思っていなかった。大変申し訳なかった」と謝罪した。

 防災服姿の高杉市長は市役所本庁舎の会議室で記者会見に臨み、報道陣からの質問に立ったまま厳しい表情で答えた。

 高杉市長は、三坂町のうち住民から「水位が上昇している」と情報提供があった一部には避難指示を出したと説明。上三坂地区などは具体的な情報がなかったという。

 上三坂地区付近で堤防が決壊したのは10日午後0時50分ごろ。三坂町の一部には同日午前10時半までに避難指示を出していたが、上三坂地区を含む鬼怒川東部地区に避難指示が出されたのは決壊後だった。この時間について、市は当初、決壊から2時間後の午後2時55分としていたが、約20分後の同1時8分と訂正した。