<タモリ>Mステ司会30年…生放送にこだわり t.A.T.u.騒動「むしろありがたい」 | ニコニコニュース

1986年から「ミュージックステーション」の司会を務めてきたタモリさん
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 お笑いタレントのタモリさん(70)が司会を務めるテレビ朝日系の「ミュージックステーション」(Mステ)が30年目に突入する。1986年から続く老舗音楽番組だが、23日には正午から10時間にわたって同局史上初の長時間音楽番組「30年目突入!史上初の10時間SP MUSIC STATION ウルトラFES」も放送。久しぶりの昼からの放送に「『やってやりましょう!楽しみますよ!』という気持ち」と意気込むタモリさんが、番組に対する思いや生放送へのこだわりを語った。

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 ◇初登場回は「覚えていない」 

 番組を引き受けた30年前の心境は「よく覚えている」というタモリさん。「音楽が大好きでしたから、音楽番組の司会は願ってもないことで、ぜひやらせてもらいたいと」と振り返り、「今から30年前というと、私の社会的な評価はえらい低かったですよ(笑い)。よくもそんな時にわけのわからない私に番組を任せようと思ったものです。これはまさしくテレビ朝日の英断で、勝負だったのでしょうね」と明かす。

 一方、初登場回のことは「全然覚えていない」としながら、「緊張はなかったですね」と振り返る。「この番組は音楽をただ聴いていればいいという感じで、他の番組よりもずいぶんとリラックスしています。むしろ歌う前のミュージシャンたちの方が緊張していて気の毒。ライブに比べ、テレビで歌うのはノリにくいと思います。通常1曲、メドレーなどで多くても3曲くらいで、ライブとは全然違いますからね。あの席に座っているとそうした緊張が伝わってきます」と語る。

 ◇ドタキャン騒動に感謝「あれこそ生放送」

 Mステといえば生放送の音楽番組。タモリさんは「私はかねがね、『音楽が創られる現場を、テレビを通じて目撃してもらいたい』という思いでいます。それには生じゃないと無理なんです。個人的にも生放送が大好き。時間通りに終わって予定が立てやすいですから」と笑う。

 番組の長い歴史の中で記憶に残るエピソードを聞かれると、2003年の女性デュオ「t.A.T.u.(タトゥー)」による“ドタキャン”騒動に触れた。「私は彼女たちを悪く思っているというのは一切ない」と前置きしたうえで、「ああいうこと(番組冒頭には登場しながら、その後は楽屋から出てこず、本番中に出演をキャンセル)になって、たまたまTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTがもう1曲演奏してくれたんですが、あれこそが生放送で、音楽が創られる場を目撃するということになると思う。だから、むしろありがたいと思っています」と感謝する。

 「生放送はそういうハプニングがないとダメですよ。テレビ朝日の技術スタッフは慣れたもので完ぺきに仕事をこなすものだから、ときどき『ミュージックステーションの“収録”頑張ってください』なんてメールが来る。いまだに『生放送ですか?』という人もいるし。ハプニングがあると緊張感が生まれて、見る側も面白いと思いますので、歌詞もどんどん間違えていただきたい」と期待。AKB48の高橋みなみさんのマジック演出の失敗(翌週に成功)についても、「ああいうのがあると楽しくてしょうがないですね(笑い)」と語った。

 ◇10時間の特番は「とにかくやり通す!」

 23日の特番は「世界に誇るニッポンの歌」をテーマに日本の名曲の数々をライブとVTRで紹介。10時間という番組史上初の長時間放送となるが、「私いま70歳なんで、とにかく『やり通す!』ということしかないです」と語るタモリさん。「そのへんを歩いている70歳を捕まえて10時間連続で何かをさせたら、これは社会問題ですよ(笑い)。プロデューサーも『10時間やりますから』って言うけど、その前に『10時間やりますけど、どうなんでしょう?』ってお伺いがあってしかるべきでしょう(笑い)。そっちがそういう態度なら、『やってやりましょう! 楽しみますよ!』という気持ちです」と受けて立つ姿勢だ。

 番組には嵐やAKB48、エレファントカシマシ、モーニング娘。’15、ももいろクローバーZ、奥田民生さん、工藤静香さんら約40組の豪華アーティストが出演。歌声合成ソフトから誕生したバーチャルシンガーの初音ミクも登場する予定で、タモリさんは「音楽業界は低迷していると言われていますが、30年前には予想もできなかったアニソンの興隆などこれまでと違う動きも出ています。初音ミクの出演も象徴的ですよね。また、懐かしい人も出てくれそうですし、幅広い世代のみなさんに楽しんでいただければいいなと思います」と語っている。番組は9月23日正午から放送予定。