任期満了に伴う山形市長選が13日投開票され、無所属新人で元経済産業省職員の佐藤孝弘氏(39)=自民、公明、次世代、改革推薦=が、元防衛省職員の梅津庸成氏(48)=民主、共産、社民、生活推薦=、飲食店経営の五十嵐右二氏(64)の無所属2新人を破り、初当選した。投票率は56.94%(前回47.60%)。

 市長選は、今国会の焦点である安全保障関連法案をめぐる与野党対決と同様の構図だった。国会審議が大詰めを迎える中、佐藤氏が法案反対を掲げた梅津氏に競り勝ったことで、与党は粛々と採決を進める方針だ。

 佐藤氏は、約50年間続いた非自民系市政からの転換を掲げ、医療関連産業の集積による雇用確保や健康寿命を延ばす政策を主張。市長選と法案を絡めない戦略を取り、地元選出の遠藤利明五輪担当相らの支援を受けた。

 一方、梅津氏は「法案は違憲の可能性がある」と主張。学生時代の恩師で、衆院特別委員会の参考人質疑で法案を違憲と断じた小林節慶応大名誉教授や、山形県の吉村美栄子知事らの応援を受けたが、及ばなかった。五十嵐氏はしがらみのない市政運営を主張したが、浸透しなかった。