神経細胞が傷つき、手足のしびれや視力の低下などが起きる難病「多発性硬化症(MS)」の患者では、特定の種類の腸内細菌が健康な人よりも少ないとする研究結果を、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)などのチームが14日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。チームによると、MSが腸内細菌の異常と関係があることを示したのは世界初という。

 MSは近年増加しており、食生活の欧米化で腸内細菌のバランスが崩れて発症する「生活習慣病」の可能性がある。同センターの山村隆教授は「腸内細菌を使った治療法の開発につながるかもしれない」と話している。

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