連休控え、影響懸念=観光の街「長期化が心配」―阿蘇山 | ニコニコニュース

 雄大な風景の中に突然、黒い噴煙が上がった。熊本県・阿蘇山の中岳で14日に発生した噴火。観光が主要産業の地元では冷静に受け止めながらも、今週末から始まる秋の大型連休(シルバーウイーク)への影響を懸念する声が聞かれた。

 「いつもと違う」。阿蘇山北側の農道を走っていた阿蘇市のタクシー運転手若宮正司さん(64)は、東京から来た乗客に教えられ噴煙に気付いた。しばらくすると、辺り一面を火山灰が覆い、山が一時見えなくなった。「火山灰や煙の量が明らかに多かった。長引いたり、大きな噴火が起こらなければいいが」と不安そうに話した。

 麓の阿蘇市街にある旅館の若おかみ工藤亜貴子さん(45)は、14日に宿泊予定だった数組の客からキャンセルの連絡を受けた。飛行機の欠航が原因だったが、「長期化した場合にキャンセルが増えるのが心配」と話す。観光名所・阿蘇神社の境内で売店を営む古閑和代さん(68)も、「シルバーウイークに影響があるかも」と顔を曇らせた。

 火口南側に位置する南阿蘇村の観光施設で働く50代の女性は「音や震動はなかったが、煙が空に広がり、いつもと全然違った。1週間くらい前から硫黄のにおいがすごかったので、近々噴火するのではないかと話している人もいた」と振り返った。