中国で崩れつつある自動車需要の「好循環」 | ニコニコニュース

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 中国メディアの騰訊新聞は12日、中国の自動車市場にかかわる人びとにとって、「年間販売台数が前年割れ」となることはほとんど初めての体験だと伝え、過去18年にわたって成長を続けてきた中国自動車市場が2015年に初めて「マイナス成長」に陥る可能性が出ていると報じた。

 記事は、リーマン・ショックによる世界金融危機が起きた2008年ですら、中国自動車市場の成長率は前年比5.2%増だったとし、まるで中国自動車市場は「無限の成長力」を持つかのように錯覚したほどだったと伝えた。

 続けて、中国自動車市場の勢いは前ぶれもなく、一夜にして失われたかのようだとし、販売台数が前年比0.5%減となった15年4月以降、前年比、前月比ともに販売は減少を続けたと指摘。特に15年7月の販売台数の減少幅は前年比ベースで7.1%減にまで拡大したとし、「8月の販売台数は前月比ベースで若干のプラスとなったが、それでも市場には勢いを感じられない」と指摘した。

 さらに、これまでは中国の1人あたりGDPが伸びるとともに、人口1000人あたりの自動車保有台数も伸びてきたと指摘、「所得の伸びが自動車市場の成長の源だった」と論じた。

 また、中国では都市と農村部および、沿岸部と西部の発展格差があると指摘。まず政府や企業が自動車を購入し、続けて都市部の住民が自動車を購入した後に、中規模都市、そして農村部へと購入主体が時間の経過とともに変化していると伝え、「こうした変化が中国の長期にわたる自動車市場の成長を生み出してきた」と論じた。

 一方で、中国経済の成長が鈍化し、失業率が上昇すると同時にデフレ圧力も高まっていると指摘し、自動車に対する実需が減退し、在庫が積み上がっているとしたうえで、「これまで中国自動車市場の成長を支えてきたロジックが崩れている」と指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)whaihs/123RF.COM)