凝縮された1分46秒。クリエイティビティの根源が表現された映像に圧倒される

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圧倒される映像には何が潜んでいるのだろう?

思わずそんなことを考えてしまう作品に出会いました。アドビのモバイルアプリ「Hue CC」のサイトに掲載された映像「色を喰うアクマ」です。

制作を指揮したのは、アートディレクターの木谷友亮さん率いるクリエイティブチーム「カイブツ」。ギズモードでも以前紹介したOK Goのミュージックビデオ制作にも関わっていたチームです。

そのカイブツが創りだしたこの映像。1分46秒の短い時間ですが、密度が濃いというか……とにかくすごいのでまずは見てみてください。PCの方はぜひ全画面で!



この映像はAdobe Creative Cloudのフィロソフィビデオとして制作されました。Adobe Creative Cloudといえば、グラフィック制作では欠かせないPhotoshopやIllustratorを内包するクリエイティブパッケージです。


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さぞやデジタル技術がふんだんに盛り込まれているのだろうと思いきや、映像はとてもアナログタッチ。メイキング映像も併せて公開されているのですが、手描きで制作に臨むスタッフさんの姿が見られます。

アクマは「クリエイター」そのものだ


色を喰うアクマ」のストーリーを大まかにいうと、主人公の「アクマ」がさまざまな色を喰いまくり、吐き出すことで世界を塗り替えるというもの。


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喰って。


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喰って。


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喰いまくる。


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そして吐き出す!


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その色が世界を塗り替える!

クリエイターは森羅万象さまざまなものに触れ、創作をしています。

Adobe Creative Cloudはそんなクリエイターの傍らにずっと存在して、その創作を支えています。

ひとりでも多くのクリエイターが、いつか世界を塗り替えてしまうほどのクリエイティブを生み出していけるように。


映像に添えられたこの言葉がコンセプトをよく物語っています。「アクマ」は世界中で作品を作り出しているクリエイターを表しているのですね。

僕も物書きの端くれとしてアウトプットの大変さは少しは分かるつもり。映像から発せられるメッセージが強く伝わってきました。

クリエイターは日々、苦悩しながら作品を作っています。それは時として孤独な戦いでもあるのです。さまざまな情報やモノに刺激を受け=色を吸収し続ける。

この反復はとてもつらいものだけど、いつかは今までためた力を一気に発揮して世界を塗り替えるような作品をアウトプットできるように、日々努力を続ける。その苦悩にも達成感にもとなりで寄り添うアドビの気持ちと世界観がよく描かれたフィロソフィビデオです。

10人のクリエイターが参加


さて「色を喰うアクマ」を見て、絵柄が次々と変わることに気づいた人も多いのでは。


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本作は「カイブツ」の制作指揮のもと、10人のクリエイターが参加しているそうです。

平均すると、それぞれの持ち時間は10秒ちょっと。そこにありったけのを込めているのが伝わってくるので圧倒されずにはいられない。見る者を圧倒する映像にはが込められている。陳腐な言葉だけどこれは真理でしょう。メイキング映像と交互に見てみると、そのあたりがより一層伝わってきますよ。


気になるデジタルテクノロジー


メイキング映像にはさまざまなテクノロジーが使われている様子も収められています。

中でも特に気になったのがこれ。


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金魚の写真を撮っているこれこそが、冒頭にも書いたアドビのモバイルアプリ「Hue CC」です。


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カメラを向けた先にあるもののカラーやライトの具合を「Look」としてキャプチャできるというシロモノ。


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「色を喰うアクマ」でも、映像編集ソフトPremiere Proで金魚の「Look」が適用されています。

入魂のアナログ作業+先端のデジタルテクノロジー。それが1分46秒に凝縮されているのです。

映画館のフルスクリーンで上映中


この映像、大画面ディスプレイで見るくらいじゃ物足りないというあなたに朗報。

極上爆音上映」でおなじみの映画館「立川シネマシティ」にて、上映中の全作品の本編前に「色を喰うアクマ」が見られるんです。企画室長が本作に感動したことによる粋な計らいだとか。9月30日までなのでお急ぎを!

最後にもう一度。メッセージを理解してから見ると、また味わい深い……。



どうぞ、何度でもご堪能ください。


source: Adobe Hue CC

(奥旅男)