【ビデオ】Mozillaの歴史: こんなインターネットが欲しかったから | TechCrunch Japan

[筆者:Elisa Schreiber, Mitchell Baker, John Lilly ]

わずか15年前まではMicrosoftがいかに強かったか、それをわれわれは簡単に忘れてしまう。2000年にMicrosoftは、コンピュータのオペレーティングシステムの97%のマーケットシェアを握り、Internet Explorerはピーク時の2004年にWebブラウザのマーケットシェアが95%に達していた。“Webの将来もMicrosoftが握っている、と多くの人が感じていた”、とMozillaの会長Mitchell Bakerは回想する。

Internet Explorerのマーケットシェアが伸びていたとき、Bakerを初めとする初期の“Mozillians”たちは、Webのイノベーションが鈍化している、インターネットはオープンであるべきだ、と感じていた。

Mozillaのチームは、巨大企業と競争する道を進まず、独自の、堅牢でユーザフレンドリなWeb体験を、オープンソースのコミュニティの力で築く道を選んだ。オープンソースコミュニティの頭数とその能力の多様性は、私企業が抱えることのできる技術者チームよりも、はるかに大きかった。“Microsoftが支配している市場にどうやって食い込むか、必死になって考えた”、と元MozillaのCEOで現在Greylockのパートナー、John Lillyは当時の思い出を語る。

GitHubがまだなかった当時は、オープンソースはまだそれほど主流ではなく、デベロッパやギークしか知らない言葉だった。しかし2002年にオープンソースのMozilla 1.0が出たことによって(その後2004年にFirefoxに改名)、人びとの関心が一挙に高まった。Mozillaを契機に、フリーソフトウェアへの世界的な関心が高まり、インターネットの使い方にも選択の自由があるのだ、という新しい認識が広まった。Lillyは回想する: “オープンソースは世界中の人びとを高揚させる概念だった。なぜなら、誰もが、自分も含めて、ソフトウェアの生成やその過程の議論に参加でき、そのソフトウェアは多くの人びとに一挙に広まっていくからだ”。

MozillaがMicrosoftの対抗勢力になりえたのは、意欲的なミッションを掲げ、それに向かって全世界からのコラボレーションがあったからだ。リリースからわずか1年後に、Firefoxは1億回以上ダウンロードされた。それは、ブラウザが、フィッシング対策やポップアップブロッカー、タブページなど、ユーザが求める機能を実装していたからだ。“彼ら(Microsoft)は、Firefoxの人気が大きくなってからやっと、われわれがやってることに注目したのだ”、とLillyは主張する。“それまでMozillaブラウザのシェアはせいぜい7〜8%で、彼らから見れば無に等しい存在だった”。

Firefoxは今、世界中で5億の人びとが利用し、そのコードの約40%はグローバルなボランティアコミュニティによって書かれている。

[Elisa SchreiberGreylock PartnersのマーケティングパートナーでビデオシリーズGreymatterのプロデューサー。Mitchell BakerはMozillaの会長。John LillyはGreylock Partnersのパートナーで元MozillaのCEO。]

〔タイトル原題: The Mozilla Story: Making The World You Want〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa