違憲訴訟、年内にも=原告1万人目指す―安保法制、法廷闘争へ | ニコニコニュース

 19日未明に成立した安全保障関連法に対し、三重県松阪市長らが結成した市民団体が集団違憲訴訟を起こす準備を進めている。市長は「国民全体の訴訟として、裁判の場で闘いたい」と、賛同する地方議員らと1万人規模の原告団を目指して参加者を募っており、早ければ年内にも提訴する。

 松阪市の山中光茂市長は昨年7月、集団的自衛権行使容認の閣議決定を受け、違憲訴訟に向けて市民団体を結成。これまでに1000人を超える会員が集まったという。

 弁護団長には、今年6月の衆院憲法審査会で「違憲法案」と指摘した憲法学者の小林節慶応大名誉教授が就き、20人以上の弁護士が参加する予定だ。

 ただ、日本の裁判制度では法律の違憲性だけを問うことはできず、審理対象となるには、具体的に原告の権利が侵害されたり、損害が生じたりしている必要がある。集団的自衛権の閣議決定をめぐってもいくつか無効確認訴訟が起こされたが、いずれも不適法として却下された。

 一方、各地で起こされた自衛隊イラク派遣差し止め訴訟では、訴えを却下する判決が相次ぐ中、名古屋高裁が2008年、「派遣は違憲」との判断を示したこともあった。

 あるベテラン裁判官は「訴訟が起こされたら裁判所は真剣に受け止め、考える。近年ないほどに重い事案となる」と話す。ただ、別の裁判官は「司法が国の進む方向を決めていいのか。選挙で選ばれた国会議員が決めたことで、裁判官は選挙を経ていない。間違いと思うなら、政権交代させるべきだ」と指摘している。