ライドシェアで恋活が密かなブーム。体験談おもろい

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今世界的に流行ってる出会い系アプリと言えばTinderですけど、たまたま方角が同じ人たちが相乗りしてクルマ代を割り勘できるライドシェアのUberPoolsとLyft Linesも、自然にデート相手が探せる! アシュレイ・マディソンみたいなボットも乗ってこない!とじわじわ人気を集めています。

あのMySpace創業者トムさんもTinderとライドシェア掛け合わせたらスピードデート天国だね、って春先にツイートしてましたけど、まさに予言的中ですね。


噂を聞きつけて、彼氏いない歴7年のReCodeの女性記者Carmel DeAmicisさん(かわいい)がUberPoolsとLyft Linesでスピードデートに初挑戦した結果を記事化してるんですけど、これが結構面白いので、ちょこっと訳しておきますね。

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はじめる前にCarmelさんは、初対面の相手を知るための質問集をネットで調べて、それを1枚1枚の紙に書いて袋に詰めて持っていきました。ライドシェアでは、スピードデート中なことをまず相手に伝え、袋から紙をとってもらって下車するまでその質問に答えてもらいます。雰囲気台なしだけど、間がもたない心配はこれで解消できるってわけですね。

ところが最初のライドはLyftドライバーとふたりきりです。しょうがないのでドライバーのTonyさん(27)に「今日はスピードデートで乗ったのよ」と伝えると、相手はジロッと一瞥するなり「結構かわいいね」とすっかりその気になって口説き始めました。自分から誘っておいてなんだけど、やっぱりタイプが合わないことにすぐ気づいたCarmelさん。でも車内にふたりきりで、逃げ場はありません。思わずアプリで下車時間をチェックしちゃって、車を降りたときには正直ホッとしたと書いてます。

あるときは後部座席に男性2人が乗ってました。PoloのCMばりのモデル顔。ドレスダウンの金曜らしくカーキのパンツに、髪はジェルで固めてます。オシャレ過ぎて吊り合わないな…と思いながらもさっそく乗車の趣旨を伝えると、ひとりが大笑いして、こう言いました。「ゲイふたりでも、いいの?

ひとりはイタリアから来たVittorioさん(38)、もうひとりはフランスから来たAdrienさん(34)。昔つき合ってたけど、今はただの友だちだと言います。用意した質問「これまで生きてきて一番恥ずかしい思い出」にも、ちゃんとVittorioさんは「18歳のとき酔っ払って友だちのベッドで寝てる間にうんこしたことかな。朝起きたら友だちのママがスポンジでお尻拭いてました」(ウソだろ!)と期待以上の答えを返してくれました。それやこれやで思い出話でずっと盛り上がったんだけど、やっぱりふたりはすごく仲良しで入っていける雰囲気じゃありませんでした。

次に相乗りしたのは、オーストラリアから来たChrisさん(27)とCoryさん(33)(取材地はサンフランシスコです)。こんがり日焼けしたオーストラリアーンなモテ男タイプ。昔サーフィンのキャンプで好きだったライフガードのことなんぞ思い出しながら、期待満々で乗車しました。

白い毛皮コート着たCoryさんは、「で来たのさ」と言いました。聞けば、砂漠の例のイベントに2年連続参加とのことです。「子ども時代もう1回やり直せるとしたら何がしたい?」という質問を引いたChrisさんは、「忍者の修行して忍者っ子になりたかった」と答えました。バーに誘えないこともなかったけど、みんな眠そうだったので、そのまま降りました。

結局この日、一番成功に近かったのは2番めに乗り合わせたドライバーのAbrahamさん(26)と乗客Aryanさん(34)でした。Aryanさんは最初から「家族いるってば!」と宣言したので対象外だったんですけど、マイアミからLyftでアメリカ一周旅行中ということで車内が盛り上がり、ちょっといいなと思ったAbrahamさんから、取材で必要だとかなんとか言って携帯番号をもらうことができました。ライドシェアのスピードデートは結局この番号がもらえるかどうかで勝負が決まるのであります。

Tinderよりナチュラル


Carmelさんがもう1本の記事で紹介してるのは、実際にデートまでこぎつけた人たち。冒頭紹介されてるベンチャー投資家のMitchellさん(26)は、「LyftとUberで2人ずつデート相手の女の子見つけた」って言ってます。まあね、職業柄ってのもあるんでしょうけどね。

ライドシェアは移動する方向も乗る時間帯も同じ者同士なので、予めなんらかの共通項があります。Tinderは写真で○なら右スワイプ、☓なら左スワイプ、右スワイプが重なった者同士でチャット→デートというやつなので、盛った写真で勝負という落とし穴があります。が、ライドシェアならもう目の前に実物がいますからね。より等身大と言えるでしょう。

成就率は?


あるドライバーさんは「1日1回は口説き出すやつがいる」と言ってます。

一方、アフリカ部族のビートをがんがんに流してるLyftドライバーのFidelixさんは、「3分の2はそれよ」とやや高めの見積もり。「ある晩乗ってきた男と女の子なんてよ、ちょうど同じバーで飲んでたらしくて、すぐ顔わかってさ。しゃべりはじめて、しばし黙りこくったと思ったら、いきなりキスしてんだもん」と驚きを語ってますよ。部族のビートが何かを呼び覚ますんでしょうかねぇ。


image by NBC Today
source: ReCode, ReCode

(satomi)

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