公明、信頼回復が課題=学会内に募る不満―安保法制 | ニコニコニュース

 与党の立場で安全保障関連法を成立させた公明党が頭を痛めている。支持母体である創価学会のメンバーから「平和の党の理念に反する」などと、公然と党の対応を批判する声が上がっているためだ。来年夏の参院選に向け、支持層の信頼をどう回復していくかが課題だ。

 「徴兵制になるのではないか、戦争に巻き込まれるのではないか、との懸念を持っている方がまだいるのは事実だ」。成立に先立つ16日、公明党の西田実仁参院幹事長はこう述べ、安保法制に賛同が得られていない現状を認めた。

 もともとは集団的自衛権行使に反対の立場だった公明党だが、連立維持を優先し、昨年7月の閣議決定では容認に転じる苦渋の決断を下した。その後は政府・自民党との法案策定を経て、今国会での成立に突き進んだ。成立を受け、党内には「ようやく肩の荷が下りた」(党幹部)との声が漏れた。

 こうした党の姿勢に対し、創価学会の内部には「立党精神はどこへいったのか」との不満が募った。党は全国各地で支持者向けの「政治学習会」を開催したが、学会の地方幹部からは「国会議員が来ない。説明が不十分」との批判が噴出。7月末に開かれた学会の最高幹部会では、出席した山口那津男代表らに対し「法案の理解が進んでいない」と厳しい注文が飛んだ。

 学会員らの反発は強まる一方で、創価大の一部教員らは安保法制に反対する「有志の会」を設立。国会前のデモに参加した学会員は9000筆超の署名を携えて、党本部に撤回を直訴した。関連法成立が、こうしたあつれきの区切りになる保証はない。