71年前の缶詰発見、中身も無事だった! 「お米つやつや」東京で展示へ | ニコニコニュース

開缶した71年前の赤飯の缶詰
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 香川県小豆島で見つかった未開封品では最古級の赤飯の缶詰が大きな話題を呼んでいます。70年以上前に製造された缶詰でしたが、中にはつやつや輝く米にふっくらした小豆。缶詰博士の黒川勇人さん(49)も「こんな状態がいい物が見つかった例は聞いたことがない」と大興奮。見つかった17個のうちの一つが都内のミュージアムに寄贈され、早くも10月から展示されることになりました。

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71年前に海軍に納品された缶詰
 小豆島では点在する古い商家を改修して芸術・文化の発信地とするアートプロジェクト「MeiPAM(メイパム)」が好評です。缶詰はこのプロジェクトの関係者らが2011年に見つけました。かつてしょうゆ店や米穀店の倉庫として使われていた建物を持ち主から借りて改修していた時に、古い缶詰17個が入った木箱を発見。「大事な物かもしれない」と捨てずに保管していました。

 今年になって缶のラベルから、「広島県合同缶詰株式会社尾道工場」が製造し、昭和19(1944)年に「横須賀海軍軍需部」に納めた品であることが正式に確認されました。


東京のミュージアムに寄贈
 この缶詰の発見のニュースに関心を持ったのが、缶詰製造大手の東洋製缶(缶は旧字体)グループホールディングスの幹部ら。同ホールディングスは東京都品川区でさまざまな缶詰を展示した「容器文化ミュージアム」を運営しています。MeiPAM側にミュージアムへの寄贈を依頼したところ、実現しました。

 中身が入ったままの状態の缶詰を「実缶」といいますが、広報担当者は「実缶でこれだけ古いのは聞いたことがない。中身も状態が良いまま保存されていたということで、当時の日本の技術の高さもうかがえる貴重な缶詰です」と話していました。10月中にも缶詰を展示できるように準備を進めています。


開封の瞬間「さすがにひざが震えた」
 この夏、実際に缶の一つを開封してみるというイベントがMeiPAMでありました。缶切りを持ったのは「缶詰博士」でタレントの黒川勇人さんです。電話で話を聞いてみました。

――黒川さんが缶詰を開けられたそうですね。


「30分ほど煮沸してから開けましたよ。『世界的に見ても71年前の新品の缶詰を開けるのはないだろう』と考えると、さすがにひざが震えてしまったのを覚えています」

――開けた瞬間、どうでしたか?


「赤飯のお米がつやつやと輝いていて、一緒に入っている小豆もふっくらしていてきれいな小豆色。すぐにでも食べたいくらいの炊きたての赤飯だったんですよ」

――におい、香りはあったんですか?


「顔を近づけてみると甘酸っぱい香りがしました。腐敗しているわけじゃないんですけど、アミノ酸と糖分の化学的な変化があったのかなと。少しパイナップルに近かったですね」

 黒川さんによると、缶詰は製造年月日から大きく時間が経ってしまっても理論上は中身が腐ることはないといいます。ただ、化学反応によって風味が変化したり、味が抜けてしまったりすることはあるそうです。

――ということは食べられてないんですね。


「見た目はきれいでも、細菌が繁殖している可能性がその時にはありましたので。専門機関に分析をお願いしました」

 赤飯は日本食品分析センターで分析されました。結果、細菌の検出はなし。味については「保証できない」という内容でしたが、黒川さんは「小豆島にまた行く日程さえ都合が付けば、すぐにでも食べに行きたい」と話していました。


缶を開けるイベント、10月にも
 現在、MeiPAMで保管している未開封の赤飯は14個。その貴重な一つが、10月18日に小豆島で開催される「オリーヴの森 感謝祭2015 オリーヴグルメフェスタ」で開けられます。MeiPAMの広報担当、野村充史(あつし)さんは「古い物や文化を壊さずに、アートを通じて次世代に伝えていこうという取り組みの中で、この缶詰が見つかったことに深い縁のようなものを感じます。私たちのプロジェクトの使命を改めて感じました」と話しています。