【アテネ時事】財政危機が続くギリシャで20日、議会(一院制、定数300)選挙の投票が行われた。同日午後7時(日本時間21日午前1時)の締め切り直後に地元スカイTVが報じた投票調査によると、チプラス前首相率いる与党・急進左派連合(SYRIZA)が得票率31〜35%、中道右派の最大野党・新民主主義党(ND)が29〜33%で、与党が小差でリードしている。

 メガTVとギリシャ国営テレビの調査でも、SYRIZAが30〜34%、NDが28.5〜32.5%となっている。

 即日開票され、深夜(同21日早朝)には大勢が判明する見通し。第1党には50議席の「ボーナス」が上乗せされるが、SYRIZAもNDも単独過半数には届かない見込みで、選挙後は連立交渉が始まりそうだ。

 選挙の最大の争点は、チプラス政権が欧州連合(EU)から最大860億ユーロ(約11兆7000億円)の金融支援を得るため、公約をほごにして財政緊縮策を受け入れたことの是非。ただ、2大政党のどちらが勝利しても、緊縮路線は維持される見通し。このほか、ギリシャなどを経由して欧州に大量に流入している難民の問題も焦点だ。