「ご当地キャラスタンプ」続々 「LINE」でわが町PR 千葉

 スマートフォン向けの無料通信アプリ「LINE(ライン)」で使用できる、県内ご当地キャラクターのスタンプ(画像)が続々と発売されている。手軽に若者らに自治体をPRでき、契約の形態によっては収入にもつながることから、新しい「町おこし」の形として注目を集めている。(林修太郎)

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 ◆販売による収入も

 県内の自治体関係では、全国的に知名度の高い船橋市の非公認キャラクター「ふなっしー」や、県のマスコット「チーバくん」にとどまらず、「いんザイ君」(印西市)▽「カシワニ」(柏市)▽「とっちー」(東金市)▽「SUNムシくん」(山武市)▽「エビアミーゴ」(御宿町)▽「あさピー」(旭市)などが現在販売されている。

 先月発売された館山市のマスコットキャラ「ダッペエ」のスタンプは、アプリ上の仮想通貨で50コイン(120円程度)を払うと、房州弁のメッセージが書かれたものなど、40パターンのカットが購入できる。安房地域の自治体キャラのスタンプ化は初といい、発売約3週間で約600ダウンロードと上々の滑り出しだ。市の担当者は「毎日一定のペースで売れている。ラインは世界で使われているので、海外の人にも館山市とダッペエをアピールできたらいい」と夢は大きい。

 県内自治体で最も早くスタンプを発売したといわれる成田市の「うなりくん」は、昨年11月ごろから今年3月までに約5千ダウンロードの売り上げがあったという。

 また、白井市の「なし坊」のスタンプは、イラストから手続きまで全て市職員が協力して行ったという。「市のキャラだからといってお堅いものにしたくなかった。ぜひ大勢の人に使ってほしい」と担当者は話す。

 ある自治体では、市内の飲食店でスタンプを掲げると特典を付けるサービスなどを検討しているといい、活用の幅はさらに広がる可能性もある。うなりくんなど各地のキャラのスタンプ化を手がけた、日本ご当地キャラクター協会(本部・滋賀県彦根市)の白川剛司さんは「スタンプを使うと返事をするのも楽しい。知らない人に自分の出身地などの『推しご当地キャラ』を知ってもらう喜びもある」とその魅力を語った。

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【用語解説】ラインスタンプ

 任意の相手と無料でメッセージをやりとりするアプリ「ライン」の中で使われる画像。文章のメッセージと同じように相手に送信し、簡単な自分の感想や喜怒哀楽などを伝えることができる。アニメ・漫画のキャラ、実在の人物など種類はさまざま。数十パターンのカットがまとめて販売されることが多い。無料のものもある。