チプラス氏の与党勝利=連立協議本格化へ―極右が勢力拡大・ギリシャ総選挙 | ニコニコニュース

 【アテネ時事】20日投票のギリシャ議会(一院制、定数300)選挙は即日開票され、チプラス前首相率いる与党・急進左派連合(SYRIZA)が中道右派の最大野党・新民主主義党(ND)の猛追をかわし、第1党の座を維持することが確実となった。ただ、単独過半数には届かない見通しで、SYRIZAはこれまでの連立の枠組みを軸に、新政権樹立に向けた他党との協議を本格化させる。

 内務省が発表した暫定集計(開票率48%)によると、予想獲得議席数はSYRIZAが145前後(改選前は124)、NDは75前後(同76)。NDのメイマラキス党首は投票締め切り後、「戦いは終わり、チプラス氏が勝った」と敗北宣言した。

 SYRIZAとともにチプラス政権を支えた保守の独立ギリシャ人党は10議席前後を獲得する見込み。ロイター通信は関係者の話として、SYRIZAが独立ギリシャ人党との連立を続ける意向だと伝えた。

 移民排斥を掲げる極右・黄金の夜明け党は、中東からギリシャなどを経由して欧州に向かう難民の急増を背景に議席を19前後に伸ばし、改選前の第4党から第3党に浮上する見通し。国民の危機感の高まりが影響したとみられる。

 チプラス政権は7月、欧州連合(EU)から最大860億ユーロ(約11兆7000億円)の金融支援を獲得するため、公約をほごにして財政緊縮策を受け入れた。この結果、SYRIZA内部で造反の動きが噴出。チプラス氏は政権維持が困難になり、解散・総選挙に打って出た。