ボランティア続々=震災被災者「お互いさま」―炊き出しや片付け・茨城 | ニコニコニュース

 鬼怒川の堤防が決壊し、大きな被害を受けた茨城県常総市の被災地では、大型連休を利用したボランティアが首都圏などから次々と現地入りしている。東日本大震災の被災者もおり、住民から感謝の声が上がっている。

 避難所となった市内の石下総合体育館で約20人のメンバーと共に炊き出しをするNPO法人代表理事大土雅宏さん(35)は福島県南相馬市出身で、原発事故による避難生活を余儀なくされた。「震災ではたくさんの人が地元を助けてくれた。自分は助けてもらった分を返しているだけ。お互いさまの精神がどんどん広がっていけばいい」と話した。

 親子丼と野菜サラダを振る舞われた小島栄三さん(72)は「温かく食べやすい味。被災後の食事で一番おいしかった」と顔をほころばせた。

 決壊場所のある常総市三坂町では、大量の土埃が舞う中、ボランティアらが洗濯物を干すのを手伝ったり、窓が全てなくなった民家の庭先にたんすなどを運び出したりする姿が多く見られた。

 同市水海道森下町で独り暮らしをしている池田美智子さん(80)は11日朝ヘリで救助され、市立豊岡小学校の避難所で過ごす。自宅は床から約80センチまで水に漬かり、冷蔵庫も倒れたが、ボランティアの助けで家財の搬出は済んだ。「高齢者の独り暮らしではできないことがたくさんある。周りに助けてもらってありがたい」と目を潤ませた。

 茨城県によると、大型連休初日の19日は約2000人、20日は約2800人、21日は約3600人のボランティアが首都圏などから訪れた。