【ソウル時事】韓国女性家族省と教育省は22日、全国の小中高校に旧日本軍による従軍慰安婦問題に関する補助教材を配布し、一部学校で試験的な授業を開始した。来年から全国の学校で全面的に実施する。

 これまでも慰安婦問題は学校教育で扱われているが、新たな教材を使用するとともに、教員の研修も実施。集中的に教える授業を設けることにした。ただ、授業の頻度は各校の自主判断に委ねるという。

 政府は「最近の日本の政府、保守団体による歴史の歪曲(わいきょく)に対抗するとともに、子供たちがより正確に問題を理解し、人間の尊厳と平和の大切さを認識するため」と説明している。

 配布された教材は、プレゼンテーション用のパワーポイント資料と冊子で、小学校高学年、中学校、高校に分けて作成。20ページ前後の分量で、「自由がなく、毎日のように暴力、性暴力を受けた」と元慰安婦が受けた被害を説明しているほか、1990年代に慰安婦問題が表面化して以降の市民による運動などを紹介している。