「技術立国」ドイツに激震=信頼に大きな傷―VWの排ガス不正

 【フランクフルト時事】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題は、世界規模のスキャンダルに発展した。「技術立国」「環境大国」を自負するドイツの代表企業であるVWの不正に、同国で激震が走っている。

 メルケル首相は22日、記者団に対し「完全な透明性を示すことが重要だ」と強調。VWに積極的な情報公開を促した。ドブリント運輸相は、VWの全ディーゼル車を対象とする調査に乗り出す方針を明らかにした。

 排ガス不正の恐れがある車が、世界で1100万台規模に上る可能性がある深刻な事態を受け、スイスやイタリアといった欧州諸国のほか、韓国などがVW車の調査を開始。今後さらに当局の調査が各国に広がると予想され、「ドイツ製」の信頼が大きく傷ついた形だ。