難民対策に2300億円拠出案=12万人受け入れに異論―EU首脳会議 | ニコニコニュース

 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)は23日、シリアなどから殺到する難民について協議するため、ブリュッセルで緊急首脳会議を開いた。会議に先立ち、欧州委員会は域内外での難民支援に追加で17億ユーロ(約2300億円)を拠出する提案を発表、首脳会議で議論される見通しだ。

 22日の内相・法相理事会では、EU各国が今後2年間で12万人を分担して受け入れることを決めた。重要議題では異例の多数決で採決され、ハンガリーなど東欧4カ国と棄権したフィンランド以外の国が賛成に回った。反対した東欧各国は「容認できない」と不満を募らせており、首脳会議でも異論が噴出する可能性がある。

 欧州委のゲオルギエワ副委員長(予算・人事担当)は23日の記者会見で「17億ユーロでEU内での難民受け入れと、国連世界食糧計画(WFP)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などEU域外で難民問題に対応している国際機関を支援する」と表明した。会見に同席したモゲリーニEU外交安全保障上級代表(外相)は、中東の難民キャンプに対する支援予算が削減されていることが、難民を欧州に向かわせる一因になっていると指摘した。

 首脳会議ではこのほか、多数の難民が経由地にしているトルコとの協力の可能性などが中心議題となる。