ストリーミングサービスの真実:レーベルは儲かっているがアーティストに利益が回っていない | TechCrunch Japan

音楽レーベルはSpotifyから巨額の支払いを受けています。しかし、そのお金がアーティストに渡る道筋がないようなのです。
ーAtom Factory、アーティストマネージャーTroy Carter

ミュージシャン達よ、ストリーミングサービスを嫌うのはやめよう。それに足る理由がいくつかある。世界で最も影響力のあるアーティストマネージャーの1人(John Legend、Meghan Trainor、以前はLady Gagaも担当)であるTroy Carterは、ストリーミングが音楽の終焉ではなく、未来である理由をいくつか説明し、ストリーミングにまつわる迷信を崩した。

  1. ストリーミングサービスを利用するユーザーが増えるほど、アーティストの利益も増える – 現在、ストリーミングサービスから得られるロイヤリティ料が少ないように見えるのは、ストリーミング自体がまだ新しいものだからだ。利用者が登録するほど、16ドルでCDが販売された時代と匹敵するほどの支払いをアーティストは手に入れることができるようになる。
  2. ストリーミングがなければ海賊版が出回る – もしユーザーが音楽を広告モデルで無料で視聴したり、サブスクリプションモデルで簡単に音楽にアクセスできない場合、人は音楽を盗むことになるので、結局アーティストは利益を得ることはできない。
  3. 音楽レーベルがロイヤリティを溜め込んでいる – SpotifyやApple Musicといったサービスは、収益の70%以上を音楽レーベルに支払っている。残りのほとんどはアプリの運営コストを賄うために必要だ。問題は音楽レーベルが利益を搾取するようなレコード契約をアーティストに押し付けているため、レーベルが潤ってもアーティストが得るロイヤリティが僅かなものになっていることだ。
  4. 大きな利益はツアーや商品から得られる– これまでもレーベルは録音した音楽の販売で得られる収入をアーティストからもぎ取ってきた。アーティストはストリーミングを有名になるための手段であると考え、コンサートチケットやTシャツなどの販売を軸に考えるべきだ。

つまり、ストリーミングサービスに不満を持つアーティストはレーベルから有利な契約を取り付けるべきなのだ。そして、ストリーミングがない場合、製作した音楽は盗まれやすくなることを覚えておこう。辛抱強く、ツアーを行うことが得策だ。CDの販売も一夜にして膨れ上がったのではない。ストリーミングサービスでいつでも好きな曲が聴けることの素晴らしさに多くの人が気づくほど、利益が入るようになるだろう。