「GDP600兆円」が目標=介護離職ゼロなど「新三本の矢」―安倍首相 | ニコニコニュース

自民党の総裁再選が正式に決まり、記者会見する安倍晋三首相。国内総生産(GDP)600兆円の達成を目標に掲げるとともに、従来の「アベノミクス」に加えて、新たな「三本の矢」を発表した=24日、東京・永田町【時事通信社】
時事通信社

 自民党は24日の党両院議員総会で、安倍晋三首相の総裁再選を正式に決定した。これを受け、首相は党本部で記者会見し、全ての人が職場や家庭で活力を発揮できる「1億総活躍社会」を目指すと表明。政権の経済政策アベノミクスの「新三本の矢」と銘打ち、(1)国内総生産(GDP)600兆円の達成(2)子育て支援拡充(3)社会保障改革―に重点的に取り組むと訴えた。

 世論を二分した安全保障関連法が成立したことを受けて首相は、「経済重視」の姿勢を鮮明にし、会見では「本日からアベノミクスは第2ステージに入る」と強調。これまでの経済政策の成果に言及し、「(経済情勢は)もはやデフレではないという状態まで来た。デフレ脱却はもう目の前だ」との認識を示した。

 首相は、経済最優先で政権を運営する意向を示した上で、「新三本の矢」に言及。最初の矢として「強い経済」を掲げ、2014年度に名目で約490兆円だったGDPについて、「600兆円の達成を明確な目標として掲げたい」と提唱。さらに、子育て支援充実による「希望出生率」1.8や、社会保障制度改革による介護離職ゼロなどの実現を目指すことも打ち出し、「日本の構造的な課題である少子高齢化の問題に真正面から挑戦したい」と決意を語った。

 17年4月からの消費税率10%への引き上げについては「リーマン・ショックのようなことが起こらない限り、予定通り実施することは累次申し上げている。その考え方に変わりはない」と明言した。

 首相が意欲を示す憲法改正に関しては「(自民党の)改正案に支持が広がるよう努力を重ねていく。次の選挙でも公約に掲げる」と述べつつ、民主党に対し「勇気を持って議論に参加していただきたい」と呼び掛けた。

 総裁任期は18年9月末まで。首相は会見に先立つ両院総会で「さまざまな困難が控えている。結果を出していくことで国民の信頼を勝ち取っていく」と訴えた。

 両院総会やその後の役員会では、首相が10月上旬に断行する内閣改造・党役員人事について首相に一任することを決定。総裁再選に伴い終了する現在の役員任期は、後任が決まるまで延長する。