サイバーで対話創設合意=南シナ海では応酬―米中首脳会談

 【ワシントン時事】オバマ米大統領と習近平中国国家主席は25日、ホワイトハウスで首脳会談を行った。両首脳は会談後の共同記者会見で双方の政府がサイバー攻撃による企業秘密などの窃取を実行あるいは支持しないことを確認し、対話のメカニズムを創設することで合意したと発表した。

 大統領は中国の平和的な台頭を歓迎した上で、企業の公平な競争や争いの平和的解決、普遍的な人権の尊重を重ねて促した。中国による南シナ海での埋め立て作業などについては、改めて懸念を表明した。

 一方、習主席は持論の米中「新型大国関係」の正当性を主張し、互いの利益を尊重して違いや不一致に寛容でなければならないと強調した。南シナ海問題に関しては「領土主権と海洋権益を維持する権利がある」と明言した。

 両首脳は気候変動への対応で中国が新たな排出量取引制度を導入すると発表。北朝鮮の核開発に声をそろえて反対するなど協力分野の進展もアピールした。

 中国国家主席の国賓訪問は2011年1月の胡錦濤前国家主席以来で、習主席のワシントン公式訪問は初めて。