横浜市立みなと赤十字病院(同市中区)は25日、昨年12月に救急搬送された70代の男性患者が、内視鏡手術後に死亡する事故があったと発表した。手術中の出血への対応が不十分だったという。四宮謙一病院長は記者会見し、「男性が元気で帰った可能性もあり、病院の責任は重い」と陳謝した。

 同病院によると、男性は胆管炎などによる腹痛や吐き気を訴え、昨年12月17日に胆石摘出などの手術を受けた。手術中に出血し、医師が止血したが、18日未明からたびたび下血。出血性ショック状態になった。止血のため再手術を受けたが心肺停止状態になり、2月20日に敗血症で死亡した。

 同病院の医療事故調査委員会は、手術に問題はなかったが、輸血が遅れたなどと指摘。病院長は背景として、当直医と執刀医の間に連絡体制がなかったことを挙げた。

 遺族は「事前に防げた場面が何度もあるだけに悔しい。死が無駄にならないよう、病院は改善をしてほしい」とコメントを出した。