快適ゲームプレイ! 『サンディスク SSDプラス』でSteam専用ドライブを作る! | ニコニコニュース

快適ゲームプレイ! 『サンディスク SSDプラス』でSteam専用ドライブを作る!
週刊アスキー

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HDDより高速なSSD、導入するなら今?

SSDを安く増設!読み込みストレスにサヨナラしよう

 HDDを大きく上回る速度が魅力のSSD。ほんの数年前までは「容量が少なく高価」というイメージをもっている人も多かったと思うが、高性能化・大容量化が進み、価格もこなれてきた今となっては、すっかりSSDの導入が当たり前になりつつある。「新しいPCが欲しいけど、HDDとSSD、どっちを搭載するか迷う」なんて人もずいぶん多くなってきたのではないだろうか。

 SSDを導入すれば、OSやソフトの起動やファイルの操作など、読み込み・書き込み速度がアップする恩恵を受けられるが、今回提案したいのはPCゲーマーのSSD導入だ。

 SSDにゲームクライアント(ソフト)をインストールすることで、開始時に広大なマップデータやテクスチャを読み出す必要があるオープンワールド型のゲームはもちろん、起動速度やコンティニューの高速化など、様々な場面で読み込み待ちのストレスを減らせるだろう。オンラインゲームではマップ読み込みに時間がかかると他のプレイヤーに出遅れる場合があるなど若干の影響が出るため、頻繁にプレイする人は特に導入を推奨したい。

最近の大作PCゲームでは、起動やロード時間が長くなることもしばしば。SSDなら読み込みの時間を短縮できる

 とは言え、「しばらくはPCを買い替える予定がない」「今のPC環境をいじりたくない」という人もいるはず。そんな人にオススメしたいのが、エントリー向けのSSDを増設し、ゲームをインストールするデータドライブとして運用する方法だ。SSDはOSが入ったシステムドライブとして使うもの、という印象を持っている人もいると思うが、すでに使っているPCのシステムを移行するのはいろいろと手間がかかるし、失敗のリスクもある。比較的安価なSSDを購入し、よく使うデータを入れておくだけでも効果はあるので、思いきって増設してしまっても損はないはずだ。

 そこでこの記事では、デスクトップPCにSSDを増設し、国内でも人気が高まってきたゲームプラットフォーム『Steam』の専用インストールドライブを作成、快適にゲームをプレイできるかどうかを検証する。現在HDDを使用していて、システムドライブ周りの構成もいじりたくない人は要チェックだ。

導入するならコスパ・信頼性が高い
『サンディスク SSDプラス』が最適!

サンディスク『SSDプラス(SDSSDA-240G-J25C/-J25)』

 さて、エントリー向けSSDといっても、今市場には様々なメーカー、種類が存在している。そんな中、『サンディスク SSDプラス(SDSSDA-240G-J25C/-J25)』を選んだ理由は2つある。

まずは価格だ。容量240GBで実売価格1万円切りと、秋葉原のパーツショップでも常にクラス最安を争う手頃さで、Steam用ドライブとして導入しやすい。安価な製品では性能が気になる人もいると思うが、転送速度は順次読み込み(シーケンシャルリード)毎秒520MB、順次書き込み(シーケンシャルライト)毎秒350MBで、同社の上位モデルに比べてやや書き込み速度が劣るものの、実作業に影響が出やすい読み込み速度は充分なスペックになっている。

 そして、もともとサンディスクの製品は、カメラ向けSDカードやCFカードなど、高品質なフラッシュメモリーに定評があること。同社が日本でコンシューマー向けSSDを販売開始したのは2014年と比較的最近だが、OEM分野ではSSD黎明期からの製造メーカーとしても知られているなど、信頼性は折り紙付きだ。加えて、3年の保証期間があるのもありがたい。コストパフォーマンスと信頼性を両立していることが、今回の選択のポイントになっている。

↑フラッシュメモリー製品老舗のサンディスク製ということで、信頼度は折り紙付き

 ゲーム専用ドライブとしてSSDを選ぶ場合、読み込み速度が速いことがキモになる。近年のSSDは高性能化が著しく、安価な製品でも、読み込み速度はSATAの最大転送速度である6Gbpsに迫る値となっていることがほとんど。起動やロード時間の短縮に影響するのは読み込み速度なので、エントリー向け製品でも役割は充分に果たせるのだ。

 なお同シリーズは、容量120GBの『SDSSDA-120G-J25C/-J25』もラインアップしている。価格は実売6000円前後とさらに安価で、順次書き込み速度が毎秒180MBとやや劣るものの、順次読み込み速度は同じなので予算によってはこちらを選択してみるのもアリだろう。

自作PCやBTO PCへの装着はカンタン

↑増設にはSATAケーブル、SATA用電源ケーブルの2本が必要だ

 自作PCやBTOデスクトップPCの場合、SSD装着に必要なのはSATAケーブルおよびSATA用電源ケーブルの2本のみ(一体型ケーブルも販売されている)。HDD/SSDドックや変換ケーブルを活用し、外付けでの運用も可能だが、ここではPC本体への増設について解説する。

 と言っても、装着は非常にカンタン。SSDに上記の2本のケーブルを挿し、SATAケーブルのもう一端をマザーボード上のSATA 3ポートに、電源ケーブルのもう一端を電源ユニットに挿しこめばSSDがOS上で認識される。あとはPCケース内の2.5インチベイにネジなどでマウントするだけだ。

(次ページ、「SSD増設の手順をチェック」に続く)

SSD増設の手順をチェック

 SSDを物理的に装着したら、初期化するのも忘れてはいけない。具体的には“ディスクの管理”でNTFS形式でフォーマットすること。標準の選択肢を選んでいけばまず間違いはないが、PCのハードウェア構成によりドライブレター(D:やE:といった表示)が異なる可能性もある。

↑Windows 10や8/8.1なら左下のWindowsロゴの上で右クリックし“ディスクの管理”を選択する。Windows 7なら“マイコンピュータ”の上で“管理”を選びんでから“ディスクの管理”を選択する。

↑SSDが新品の場合、図のようなウインドーが出現するが、そのまま“OK”を選択。

↑画面下部、黒いオビが表示されているのが初期化されていない領域、つまりこれがSSDということ。この上で右クリックし“新しいシンプルボリューム”を選択しよう。

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↑初期化作業は基本的に“次へ”ボタンを押す作業だが、この2枚の画面が来たら要注意。まず“次のドライブ文字を割り当てる”(左)は、SSDに割り当てられるドライブレターを示すもの。“ファイルシステム”に“NTFS”、“クイックフォーマットする”にチェックが入っていることを確認しよう。“ボリュームラベル”は分かりやすいよう“SSD”とした。

↑黒オビが青オビに変化し“正常(プライマリ パーティション)”の文字が出たら初期化終了だ。

システムに極力手を入れずSSDを活かす!

 SSDを初期化したら早速作業だが、今回はSSDにOSを移行させることはしない。システム移行は手間がかかる。移行を行なうツールもあるが、HDDより小さな容量のSSDに入れるのはちょっと工夫が必要だ。

 そこで今回はHDDに入れたシステムには一切触れないまま、Steamのゲームだけ増設したSSDにインストールする、という方法を提案したい。以降画面例ではWindows 10 Pro(64ビット)がHDDのC:ドライブ、SSDがD:ドライブとして認識されていると想定している。

 C:ドライブ以外のドライブにSteamのゲームを入れるやり方はいくつか方法があるので、いくつか紹介しよう。

【1】まだSteamを導入していない場合

 これからSteamを導入してゲームをダウンロードしようという状況なら、Steamのインストール先をSSD側に指定しよう。こうすればSteamで購入したゲームはSSDにインストールされる。

↑Steamをインストールする時に、SSD側を指定すれば、ゲームの導入先も自動的にSSDになる。

【2】SteamはHDDに導入済みという場合

 すでにSteamをHDD側に導入してしまった! という場合でも焦ることはない。ゲームをインストールする時に、別のドライブも選べるからだ。

 この方法を利用すれば、遊ぶ頻度や重さでストレージを使い分けることができる。今集中的に遊びたいゲームはSSD、時々遊びたくなるゲームをHDDに入れるとか、SSDに入らない巨大なゲームはHDDに振り分けるといった柔軟な運用ができる。もちろん【1】でSteamをSSDにインストールしてから、特定のゲームのみHDD側を指定する、という手も使える。

↑まずSSD側(D:ドライブ)にSteamのゲームを入れるフォルダーを作る。今回は“Steam games”とした。フォルダーは半角英数だけで作るのが吉だ。

↑Steamに戻りゲームをインストール作業を始めよう。“インストール先のドライブを選択”という表示が出たら右端の▼マークをクリック。“D:\ドライブに新しいSteamライブラリを作成”という項目を選択する。

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↑ここで先ほど作っておいたフォルダーをクリックし“選択”ボタンを押す。元の画面に戻った時インストール先ドライブが変わっていることを確認しよう。以降は▼マークをクリックすることでインストール先を切り替えることができるようになる。

 中~上級者向けのテクニックも紹介しておこう。

【3】Steamフォルダーをまるっとコピー

 すでにC:にSteamもゲームも導入済みだが、またSSD側に同じゲームをダウンロードするのは面倒。すぐにゲームしたい! というせっかちな人は、一度Steamを完全に終了させてからSteamフォルダー本体をSSDの中にコピーしてしまおう。

 コピー終了後HDD内のSteamをアンインストール、その後コピーしたSteamフォルダーの中にある“steam.exe”を直接起動すれば【1】と同じ結果が得られる。ただしこの場合、デスクトップに作っていたショートカットが使えなくなるので作り直すなど手間は必要。しかし数十GBの再ダウンロードをしなくて済む。

↑“C:\Program Files(x86)\Steam”をそのままSSD内の任意の場所にコピー。Steamを完全に終了させてからコピーを行い、コピー後は元のSteamをアンインストールしておくのを忘れずに。

【4】Steam用移行ソフト『Steam Mover』を使う

 『Steam Mover』を使えば、すでにインストール済のゲームを別ドライブに移動させることができる。【3】の丸コピーと違い、SteamフォルダーはC:ドライブのまま、自分が指定したゲームだけを移動できる。

 Steam Moverのダウンロードはこちら。(編集部注:Steam公式のソフトではありません。使用は自己責任でお願いします。)

↑まずは作者のページへアクセスしSteam Moverをダウンロード、解凍しておく。

↑Steamを終了させてからSteam Moverを起動。右上の“Alternative Folder”欄の“…”をクリックし、ゲームの移動先フォルダー(増設したSSDドライブのフォルダー)を指定する。

↑移動させたいゲームを全部選択(Ctrlキーを押しながらクリック)してから、左下の“→”アイコンをクリック。コピーが終わるまで暫く放置しておこう。

↑移動されたゲームは矢印のアイコンの向きが変化する。元に戻したければ再び選択して“←”でOK。

↑C:ドライブ内のSteamフォルダーの中にあるゲームのフォルダーはショートカットっぽい見た目(ジャンクション)になる。これがSSDに繋がっているので、これを削除するとゲームが動かなくなるので注意。

(次ページ、「SSD追加で“メタルギアソリッド”も速くなった!」に続く)

SSD追加で“メタルギアソリッド”も速くなった!

 ではSSDの追加でゲームの起動がどの程度速くなるか検証しよう。まずその前に“CrystalDiskMark v5.0.2”を使い、HDDとSSDの読み書き性能の違いを確認しておこう。検証ハードは以下の通りだ。

【検証環境】
CPU:インテル Core i7-4790K(4GHz、最大4.4GHz)
マザーボード:ASUS Z97-PRO(Intel Z97)
メモリー:DDR3-1600 4GB×2
グラフィックボード:MSI GTX 980 GAMING 4G(GeForce GTX 980)
SSD:SanDisk SDSSDA-240G-J25(240GB)
HDD:1TB(7200回転)
OS:Windows 10 Pro 64ビット

↑C:ドライブ(HDD)の読み書き性能。最新のHDDではないが、ちょっと前の7200回転のHDDとしては標準的な性能。

↑今回使用したサンディスク製SSD『SDSSDA-240G-J25』の読み書き性能。書き込みが毎秒400MB弱とやや遅めだが、読み込みはSATAのほぼ限界近くまで出ている。

 今回の検証では『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN(MGSV:TPP)』と『The Witcher 3: Wild Hunt(ウイッチャー3 ワイルドハント)』を使用した。各ゲームの起動時間と、セーブデータからコンティニューする時間を比較する。各ゲームで1回ずつ計測したら再起動し、これを5セット繰り返す。得られた値のうち最大値と最小値を除け、最も安定した中間の3回の値から平均値を算出した。

 SteamのゲームをSSD側にインストールする方法をいくつか紹介したので、この方法でも違いが出るかもチェックしてみたい。

【グラフ内の項目】
・サンディスクSSDプラス:【2】の方法でゲームのみSSDにインストールした場合
・HDD:ゲームをHDDにインストールした場合
・Steam丸ごと:【1】の方法でSteamフォルダーごとSSDにインストールした場合(【3】の方法と実質的に同じ)
・Mover使用:【4】で示したSteam MoverでゲームのフォルダーだけSSDに移した場合

 ウイッチャー3では、ショートカットからゲームを起動しクレジットが出るまでと、コンティニュー選択からキャラが出現するまでの時間を計測した。解像度は1920×1080ドット、画質は基本的に全部最高に設定したが、HairWorksのみ無効化している。

 このゲームは起動よりもコンティニューの時間が長いが、いずれもSSDの効果は抜群だ。起動時間はほぼ半分に、コンティニュー時間は9秒前後短縮。

 よく見るとゲームをSSDに入れるやり方によって微妙に起動時間に差が出ている。Steam Moverを使った方法はやや遅く、最速はSSD側に直接Steamをインストールする方法だった。

 次にMGSV:TPPでチェックしよう。起動時間は“ショートカットからゲームを起動し最初の“OK”ボタンが出現するまでの時間”まで、コンティニュー時間は“コンティニュー選択から“Spaceを押す”アイコンが出るまで”を計測している。解像度は1920×1080ドット、画質は全項目が最も重くなるよう設定した。

 このゲームでも、SSD間でのインストール方法による速度差の傾向はウイッチャー3でのテストとほぼ同じだが、そこまで差は見られなかった。

 コンティニュー時間はほとんど変化がないが、起動時間はHDDが平均20.9秒なのに対し、SSDはどの方法も平均16秒以下に短縮。HDDとSSDの性能の差を考えると短縮の度合いが足りないように思えるが、3Dを使ったゲームの待ち時間は大抵メモリーやGPUなどにデータを展開しているため、読み書きが段違いに速いPCI Express接続のNVMe SSDを使っても効果が得られないことが多い。ドライブが命令待ちになっている時間も結構あるため、SSDは超高速のものよりも、SDSSDA-240G-J25のように程々の速さのSSDにした方が費用対効果が良くなるのだ。  

 もちろん全てのゲームで検証した訳ではないため、今回のようなSSD増設で待ち時間が短くならないゲームが存在する可能性はある。だが直近のヒット作で試した限りは、HDD環境にSSDを追加するだけでも十分な効果が得られると言えよう。

ちなみに描画性能は変化するの?

 ゲームの描画性能(フレームレート)に最も影響を与えるのはグラフィックボードだ。それでは、SSDを追加することで変化するのか、念のためチェックしてみた。

 ゲーム中でもデータの読み込みは発生するが、ゲームのインストール先がSSDであってもフレームレートは同じだった。

 次にSteamでゲームをインストールする際に発生する“領域確保のための時間”を比べてみよう。

 MGSV:TPPのインストール容量が約21GB、ウイッチャー3だと約38GBとなるため、HDDだと領域確保のためにじっと待つ必要がある。しかしSSD側にインストールすれば、待ち時間はほぼ半減。もちろんゲームを完全にインストールまでの時間はこの領域確保時間以上に必要になるが、この領域確保を行っている時間は、Steamでは次の作業を始めることができない。SSDを導入しSteamをSSD側に入れておけば、ゲームをインストールする間に別のゲームを起動するのもテンポよく行なえるのだ。

まとめ:ゲーマーならSSDを導入すべし!

 今回は2本のメジャータイトルでSSDの効果を確認したが、効果に差はあれどSteamをSSDに導入することで、起動時間やセーブデータの読み込み時間が短縮することがわかった。

 今回は実売1万円前後と最もコスパの良いサンディスク製の240GBモデルを選択したが、SSDプラスシリーズなら予算に応じて様々な容量の製品がある、という点にも注目しておきたい。低予算(7000円前後)でゲームを厳選して遊びたいなら120GBモデル『SDSSDA-120G-J25C/-J25』がオススメ。書き込み性能は240GB版(350MB/秒)の約半分(180MB/秒)なので、インストールの時間は240GB版よりわずかに長くなるがゲーム起動時間短縮効果は同じ。

 だが色々なゲームを容量を気にせずインストールしたい、とかSteamのセールであれこれゲームを買ってしまいがちな人(積みゲーの多い人ともいえる)なら、上位の「サンディスク ウルトラ II」シリーズの480GBモデル『SDSSDHII‒480G‒J25C/‒J25(実売1万8000円前後)』もオススメだ。これを機にSSD追加し、快適なSteam環境にチューンアップしてみてはどうだろうか?

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