貧困、30年までに撲滅を=新開発目標採択―国連サミット | ニコニコニュース

 【ニューヨーク時事】国連本部で25日、加盟193カ国の首脳らを招いたサミットが3日間の日程で開幕し、2016〜30年の国際社会の共通開発目標「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択された。アジェンダには、貧困撲滅や資源保護など17分野で169の目標が明記された。来年以降、各国が取り組む開発政策の指針となる。

 アジェンダは今年末までの15年間が対象の「ミレニアム開発目標」の後継で、8月に加盟国が合意した。1日1.25ドル(約150円)未満で暮らす「極度の貧困」や飢餓を終わらせ、すべての子供に初等・中等教育を提供するなどの目標が設定された。

 ミレニアム目標は主に途上国の開発を目指したが、アジェンダでは日本など先進国も国内の貧富の格差是正、子供への暴力撲滅、気候変動への対応など多くの課題で取り組みが求められる。

 潘基文事務総長は採択に先立ち、「アジェンダの試金石は『履行』だ。あらゆる場所のすべての人の行動が必要だ」と訴えた。

 ミレニアム目標では、極度の貧困人口が1990年の19億人から半分以下に減るなど、複数の項目が達成された。ただ、8億3600万人が今も極貧にあるほか、子供や妊産婦の死亡率低減なども目標に及ばなかった。

 国連サミット開催は10年ぶり。今回は国連創設70年を記念する意味合いがある。期間中、日本など過去最多の150カ国以上から首脳が出席し、演説する。