厚生労働省は28日、納め続けた公的年金の保険料に対し、生涯でどれだけの給付が受けられるかを世代ごとに試算し、公表。厚生年金では、今年70歳(1945年生まれ)の人は負担した保険料の5・2倍の給付を受け取れる見込みで、2009年の前回試算の4・7倍を上回った。30歳(85年生まれ)以下は前回と同じ2・3倍で、世代間格差が拡大した形。

 少子高齢化に伴い給付を抑制する「マクロ経済スライド」の実施の遅れが影響した。厚労省は12年度の給付抑制開始を想定していたが、物価や賃金のデフレ傾向が続いて抑制実施が15年度にずれ込んだことから、高齢世代の受給総額が増えた。