秋の夜長は、冥王星をながめながら飛んでみよう


謎が多く、神秘的な星、冥王星。

今年の夏、NASAのニュー・ホライズンズは冥王星の写真を何百枚と撮影してきました。宇宙オタクも認めるその素晴らしいデータの山から、私たちも冥王星の姿を見てきました。でも、写真だけだとやっぱりまだ物足りないなと思う人もいるのではないでしょうか? もっと近くで見たい、いや、いっそのこと冥王星の真上を飛んでみたい!

ありがたいことに、この願いを理解してくれていたNASA。アメリカのボルダーにあるSouthwest Research InstituteのStuart Robbins氏が9月11日に撮影された最新の冥王星の画像をつなぎ合わせて、まるで冥王星の真上を低空飛行しているようなアニメーションを制作してくれたのです。小さく、独特な雰囲気を持ち、それでいて美しい矮星を撮影した、この夏私たちのハートをぐっと掴んだ写真の数々で作られました。

さて、冥王星の旅はNorgay Montesから始まります。ゴツゴツした氷山が連なる様子はロッキー山脈を彷彿とさせるものがあり、高さはおよそ120マイル(約193km)です。続いて不思議な質感をした平原、Sputnik Planum(左側の明るい部分)とCthulhu Regio(右側の暗いクレーター区域)の北側を、高度を上げながら横切っていきます。最終的には東に曲がり、高度を急速に上げ、1,500マイル(約2,414km)の高さを飛翔するという、なんとも壮大な宇宙の旅。


「このアニメーションを作ったのは、ニュー・ホライズンズから受信した最新の画像と、冥王星にあるさまざまなタイプの地表を紹介したいと思ったからです」とRobbins氏がブログに書いています。「7倍までピクセルスケールが上がり、もっと良質な画像が届くのが待ち遠しいです。地表の区域を選択して、冥王星の新しい一面を見ることができるようになればと思います」。

それは私たちも楽しみですね! ああ、でも残念ながら、太陽系の最悪なダイアルアップ接続を介してデータをダウンリンクするには、かなりの時間を要するのも事実…。ニュー・ホライズンズはすでに今月初めにはそのメインデータのダウンリンクを始めていますが、その送信作業はなんと2016年の8月まで続くのだそうです。恐ろしいくらいに時間がかかる予定ですが、ニュー・ホライズンズがカイパー・ベルトまでの道のりを無事に旅することをお祈りしつつ、寒く、暗く、そして私たちの太陽系に近い位置にある謎に包まれた星の姿を暴いてくれるのを楽しみにしましょう。


source: NASA

Maddie Stone - Gizmodo US[原文
(SHIORI)