キャッシュカードを不正使用されたと偽り、銀行に補填(ほてん)請求などを行ったとして、福岡県警は1日、詐欺未遂容疑で、同県警警務部留置管理課の警視、要幸次容疑者(57)=同県中間市下大隈=を逮捕した。「金をだまし取ることなど一切考えていない」と容疑を否認しているという。

 逮捕容疑は6月中旬〜7月上旬、2銀行に対し、自分で現金を引き出したにもかかわらず、紛失したキャッシュカードを第三者に不正利用されたように装い、補填請求やカードローン借り入れの債務免除を受けようとし、計約220万円をだまし取ろうとした疑い。

 県警監察官室によると、要容疑者は5月、キャッシュカード3枚を紛失したと県内の警察署に届け出ており、7月には不正使用について相談していた。捜査の結果、現金を引き出したのは本人と判明したという。同室は今後、詳しい動機などを捜査する。

 鍛治田敬・福岡県警首席監察官の話 警察幹部として言語道断の犯罪行為。事実関係を明らかにし、厳正に対処する。